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一陽来復 Life Goes On [シネマ&演劇]

東日本大震災からまもなく7年。岩手、宮城、福島で暮らし続ける人たちを追ったドキュメンタリーの試写をみた。国の「心の復興」事業の一環として制作された。監督はユンミアさん。時間的制約など条件をクリアしながら撮った、その苦労が見て取れる。

三人の子どもを一度に亡くした夫婦、結婚してまもなく夫を失い忘れ形見の子どもと暮らす妻、原発事故後も出荷できないコメを作り続けた農家。釜石、南三陸、石巻、川内、地域によって事情は異なるが、癒えることのない心の傷を抱えながらも前を向く。

一陽来復=冬が去り春が来ること。悪いことの後、ようやく物事がよい方に向くこと。津波が海底をさらったことで、漁場は生まれ変わった。大きな自然の再生の営みでもあったと話す漁業者の言葉。人々の営みが作り出した、原発政策や防災対策など、震災を機にどこまで生まれ変わることができるのだろうか。復興はなお途上であるとあらためて思った。

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銀河鉄道の父 [読書日記]

門井慶喜さんの直木賞受賞作。父親から見た、あの宮沢賢治の物語だが、作品は知っていても賢治のことをあまり知らなかったこともあり、童話作家の意外な一面を知った。

岩手・花巻の宮沢記念館を訪ねた際、賢治の日蓮宗への信仰のことを知った。しかし、質屋で地元の知名士だった父に金の無心を繰り返したりしたことなど、知らなかった。妹への愛情、父への反発、文学への思い。故郷イーハトーブへの思いの一方で、東京の出版社から本を出したいと願う。

天才的な文学の才能があっても、賢治にはごく普通の感情があったのだ。家父長制、家制度が確固としてあった明治の時代。その時代に生み出された物語が今なお読み継がれている、そのことに改めて感銘を受けた。

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

  • 作者: 門井 慶喜
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 単行本

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ミッドナイト・バス [シネマ&演劇]

ほぼ全編新潟ロケ、地元の新潟日報創刊140周年記念の一作。ことしの北陸は大雪被害で大変だが、雪の舞う新潟市内の映像をみながら、この季節の地元の人たちの苦労を思う。

東京と新潟をつなぐ長距離バスの運転手が主人公(原田泰造)。離婚して元の会社を辞め地元・新潟に戻り、息子と娘を育て上げた。東京・大森で居酒屋を営むアラフォーの恋人(小西真奈美がとても魅力的)と、元妻(山本美來)の間で揺れる男。東京では一人の男、新潟では父親としての顔を優先する。それぞれに責任を果たそうとする。

物語は淡々と描かれていく。これまではっきりものを言わなかった夫婦、家族。帰る家庭があることの安心、一人になることの寂しさ。ラストは原作(伊吹有喜作)とは違うらしいが、どこかストーカーのようなラストはいかがなものかと心にひっかかった。

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ジュピターズ・ムーン [シネマ&演劇]

ハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ監督作品。ガリレオが見つけた木星の衛星エウロパ、ヨーロッパと綴りが同じこの星の愛称を作品の題名にしている。SF仕立てだが、難民問題やテロリズムなど、ヨーロッパが抱える問題が描き出されている。

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国境を突破したシリア難民の少年が「天使」のように空中を浮遊できるようになる。不法移民、テロリストの嫌疑をかけられ逃走する中で、「奇跡」を起こす。目先のことにとらわれ、空を、天を見上げることがなかった人々が天上に舞う少年=天使を見て、涙する。


安楽死やLGBTの話も盛り込まれているが、キリスト教文化圏における「神の存在」、人間と神といった宗教的なテーゼの方に思考は及ぶ。生身の人間が空中浮遊するという、ある意味シンプルな神業を際立たせ、エンタテイメント作品にした監督の手腕に感心した。

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秘密の花園 [シネマ&演劇]

アングラ演劇を若手演出家が読み直す東京芸術劇場のシリーズで、福原充則演出の「秘密の花園」をみた。唐十郎が本多劇場のこけら落としのために書き下ろした。新築の舞台を水浸しにした伝説の作品だ。


日暮里のアパートの一室。ホステスいちよ夫婦に客の青年アキヨシが絡み物語が展開していく。洪水、菖蒲湯、坂道、自転車、草笛-イメージの連鎖。独特な色気のある寺島しのぶ、父・柄本明が初演した役を演じた柄本佑、ナレーションではないナマの田口トモロヲを初めて見た。


さすがにテント芝居の、あの猥雑さは少し足りなかったが、あのバイオリンのメロディーが響く、衝撃の場面、クライマックスでは、背筋にゾゾッとくる、エクスタシーのような感覚を味わった。言葉では言い表せない、やるせない気持ち、やはり傑作戯曲だと思った。

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熊谷守一 生きるよろこび [アート]

没後40年、久しぶりの東京での回顧展を竹橋の東京国立近代美術館に見に行った。青木繁と同世代の人で、明治から昭和にわたり97年の生涯に描いた作品200点余が展示されている。


明るい色彩、はっきりしたかたちが特徴らしいが、若いころは暗い色調が目立つ。子どもを失うなど苦難を経験しながらも画業に打ち込み、晩年になって独自の画境に到達したという。


作品は、明るい色調とともにより抽象化、シンプルなかたちになっていく。題材は近所の野良猫や、魚、草花など。悲しみを飲み込んだ、カラッと乾いた明るさ、心がポッと温かくなる。そんな印象を抱いた。

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花咲くころ [シネマ&演劇]

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岩波ホール創立50周年記念作品の第1弾、ジョージア(旧グルジア)の映画を試写でみた。ソ連からの独立後、内戦下の首都トビリシを舞台に多感な少女たちの日常を描く。


1974年、総支配人の高野悦子さんがエキプ・ド・シネマを始め、商業ベースになりにくい内外の映画を上映してきた。アジア、アフリカなどを中心に現在まで245本、55カ国の作品を単館上映してきたという。日本では毎年、1200本の映画が公開され、消費されているが、「映画の公開は再創造である」という理念の下、埋もれさせてはいけない、見て欲しい作品をセレクトし、公開を続けている。


「花咲くころ」では、物資が欠乏している食生活や、武器が簡単に手に入る日常、伝統的に行われている誘拐婚の話などが出てきて、驚かされる。その一方で、華やかな民族衣装を着て踊る少女たちはその独特のエキゾチックな顔立ちと澄んだ目が美しく、印象に残った。


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デトロイト [シネマ&演劇]

「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督最新作。1967年、米国第5の都市・デトロイトで起きた暴動の内幕を描いた、ドキュメンタリータッチの作品を試写会でみた。死者43人、負傷者1100人超。白人警官による黒人たちへの弾圧、暴力は50年以上たった今も続いている。「人種のサラダボール」といわれる米国の人種差別の根深さをニュースで見聞きしている身としては、衝撃というよりもため息の方が先に立つ。


延々と続く警官による尋問シーンは、見ているだけで胸が苦しくなる。身体的、精神的に追い詰める執拗なやり口。警察や軍隊など権力を持つ側の暴力の怖さをあらためて思い知る。


米国では、年間およそ300人が警官によって殺されている(主に射殺か?)という。銃が野放しの国とはいえ、日本ではとても考えられない。国内で深刻な差別問題を抱えながら、世界に向けては民主主義と人権を旗印に外交を進めてきた米国の矛盾。国際政治の複雑怪奇な実態を思う。

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嘘八百 [シネマ&演劇]

新年一発目は、まあ笑いたいな、と日本橋のTOHOシネマズへ。中井貴一と佐々木蔵之介のダブル主演を、渋い脇役が固め、正月らしい?コメディとして楽しく見られた。


古物商と陶芸家が組んで、千利休の茶碗でひともうけしようと企むお話。骨董の世界は、「いい味出してますねえ」ではないが、その業界の目利きのお墨付きが威力を発揮する。お墨付きさえあれば、物の真贋を問わず高く取引されると言っても過言ではない。かの業界に疎い者からずれば、そう思える。


トランプ米大統領登場いらい、世界的な流行語となった「フェイク」。嘘やまがい物が「真実」や「本物」になってしまう現代にあって、信じられるものは一体何なのか。笑いながらそんな事を考えたりした。





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見ることのリアル:レアンドロ・エルリッヒ展 [アート]

六本木ヒルズの森美術館で、「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」をみた。見る人が参加して体験するインスタレーションなどの作品。固定観念を覆す、トリックアートの中でしばし遊んだ。

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「クラウド」アートでは日本列島やフランスなど、世界地図でなじみのある国のかたちを表現していた。この手法のアートは内幸町のイイノビルにもあった。空に浮かぶ雲や夜の星空に、意味のある「かたち」を創造する人間。そうした想像力を生かした作品だ。

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試着室に入ると、鏡の向こうに無限に部屋が続く。どれが鏡で、どこが筒抜けなのか。錯覚に陥り、出口のない迷路のような怖さを味わえる。

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建物の壁をよじ登ったり、座ったりしている自らをカメラでパチリという大型作品は大人気で、これは一番のインスタ映えスポットかも。金沢21世紀美術館に常設されている「プール」という作品の模型もあった。今展の現代アーティストの名前はこれまで知らなかったが、意外なところで作品には出会っていて、都会にはアートが点在しているのだな、と実感した。

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はじめてのおもてなし [シネマ&演劇]

ドイツのアカデミー賞観客賞を受賞した作品を試写会でみた。アフリカの難民を受け入れたハートマン家の人々の困惑と大騒動をコメディタッチで描く。定年世代の夫婦の葛藤や、離婚して父子家庭の息子、こじらせ女子の娘ら。経済的な豊かさゆえに、効率一辺倒の思考や、行き過ぎた個人主義で、大事なものを見失った人々が登場する。日本の社会と変わらぬ状況を描いたドラマに考えさせられた。


シリアなど中東の難民は、欧州の大きな政治・社会問題だ。国内の経済格差問題と絡み、移民排斥の動きが過激化する国も多い。でも、この作品は、単に難民問題の深刻さを訴える映画に終わっていないところが魅力。移民問題を語ることで、不寛容な時代の空気を「これでいいの?」と告発しているのだ。


サイモン・バーホーベン監督。ドイツの著名な俳優たちが出演しているらしいが、近年ドイツ映画を見た記憶がなく、ピンと来なかった。勤勉さという点では、日本とドイツは似ていると言われる。すんなりストーリーについていけたのは、そんな親しみ深さや、似た国民性があるのかもしれない。

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西郷どん! [読書日記]

2018年のNHK大河ドラマの原作を読んだ。林真理子さん作で、並製の上中下。かつて「翔ぶが如く」はじめ、司馬遼太郎の本を読んで以来の幕末、西郷もの。若き日の西郷どん、奄美に島流しされた話など、知らない話にスポットを当てる。


林さんは結構、歴史ものを書いていて、「白蓮れんれん」が面白かったので、今回手にとってみた。明治維新という歴史的できごとを追うだけでも大変なのに、それをドラマ用にいかにはしょりながら書くのか。そんな興味もあった。


おいたちは土の国の者。百姓をやるようにできている。アジアの国はみんな同じ。手をつないで鉄の国の欧州に立ち向かわないといけない。鉄の国の論理ではなく、百姓をする国をつくろう。西郷どんの思いは、今も日本の国づくりの根っこにある。

西郷どん! 並製版 上

西郷どん! 並製版 上

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本
西郷どん! 並製版 中

西郷どん! 並製版 中

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本
西郷どん! 並製版 下

西郷どん! 並製版 下

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本

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朝陽の中で微笑んで [シネマ&演劇]

ユーミンと帝劇のコラボで3年目の音楽劇をみた。演劇の挿入歌をすべてユーミンがナマ歌で聞かせる。歌に合わせて芝居があるのかと思っていたら逆で、場面場面でユーミンが舞台に登場し、主人公の心情に沿ったオリジナル曲を歌う。ファッショナブルで、時に奇抜な衣装は、バブルの頃を彷彿とさせる。


500年後の未来、クローン人間が実現した時代の恋愛ストーリー。ヒロインの宮澤佐江(AKB時代は押しメン)は明るくかわいいキャラでよかったが、演技的には寺脇康文、六平直政、斉藤洋介といったベテランが支えるといったステージだった。脚本・演出は松任谷正隆。


会場はユーミンファンの夫婦連れが目立ったが、やはり一番盛り上がったのはエンディング。往年のヒット曲「やさしさに包まれたなら」を歌いながらユーミンが舞台に出てくると、大歓声。出演者紹介の後、アンコールは「卒業写真」。若き日の想い出がよみがえり、懐かしさについ涙ぐんでしまった。やあ、歌のチカラってすごいなあ。

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「ケの美」展 [アート]

銀座のポーラミュージアム アネックスに「ケの美」展を見に行った。ハレ(晴れ)に対するケ。ふだん、日常という意味だが、ハレに比べると、最近はあまり使わない言葉。ふだんの暮らしの中に「美」を見いだす試みで、展覧会ディレクターの佐藤卓さんの呼びかけに、14人の著名人が展示参加している。


実物とパネルの展示で、それぞれの思いをつづった一文が掲げてある。話を聞いたり、本を読んだりして知っている人もいたが、知らない人の方が多かった。でも、台所回りの物や掃除・洗濯道具、文房具など、身の回りのもので、「これいいよね」と気に入ったものを見ると、だいたいどんな考えの人なのか、分かるものだ。


マルチクリエイターの小山薫堂さんは、魯山人の「坐辺師友」を座右の銘としてあげ、ものたちへの愛情を告白していた。展示していたのは、風呂の手桶で、わざわざ注文した代物。ちょっと一般人にはマネできないが、確かに格好はよかった。うらやましいなあ。料理研究家の土井善晴さんは、具だくさん味噌汁の写真が目を引いた。トースト入りの変わり味噌汁など、どれもうまそうで、感覚的には一番自分にぴたっと来た。隈研吾さん、小川糸さんの展示も印象的だった。入場無料。

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ちょっと、まってください [シネマ&演劇]

ナイロン100℃の新作を下北沢の本多劇場でみた。劇団主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチによると、一度やりたかった不条理喜劇だという。あえて意味を持たせるならば、戯画化された家族劇によって、家族っていったい何なのかを問うた一作といえるのかも。


不条理劇といえば以前、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」をみた。二人の男がひたすらゴドーを待ち続けるのだが、せりふの独特の「間」が印象に残っている。今作は日本の不条理劇の大家・別役実さんへのオマージュで、別役作品の引用や文体の模倣、様々なアイコンを散りばめたという。


残念ながら別役さんの舞台をみてないので、細かいパロディーは分からなかったが、不条理な設定や会話、そして独特の間には、つい笑ってしまった。五つの赤い風船「遠い世界に」、もとまろ「サルビアの花」。唐突に始まる懐かしき名曲の劇中歌が不条理な世界を際立たせていて、なかなかの選曲だったと思った。

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サンタクロース会議 [シネマ&演劇]

こまばアゴラ劇場で、平田オリザさん作・演出の子ども参加型演劇をみた。コミュニケーションの力をつけるというより、コミュニケーション嫌いにならないように、子どもたちへの演劇教育を実践している平田さんが10年前から続けている公演。舞台と客席の垣根を取り払い、子どもの意見に受け答えしながら物語は展開していく。


サンタがいるのか、いないのかを含めて、サンタにまつわる問題を議論する。平田さんによると、演劇はギリシャ時代、哲学や民主主義とともに始まった。日本の学校教育では道徳としてとりあげているテーマも含めて、哲学カフェのような感じで演劇を教育の場に持ち込みたいという。


公演は1時間程度で、子ども向けの内容かと思ってみたのだが、大人に向けて家庭での会話を促す狙いもあると分かった。サンタは空を飛べるの? いい子と悪い子はどう見分けるの? 舞台からの青年団の役者の質問に答える子どもたちの意見が素朴でつい微笑んでしまう。しこみではなく、アドリブで広がっていく舞台はある意味、演劇の本質かもしれないと思った。

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この熱き私の激情 [シネマ&演劇]

カナダで高級娼婦をしていたネリー・アルカンの小説「ピュタン-偽りのセックスにまみれながら真の愛を求め続けた彼女の告白」を舞台化。7人の女優・ダンサーが36年で自ら命を絶った彼女の人生を独白する。


舞台には2階建てのセットが組まれ、影の部屋、天空の部屋などと名付けられた個室で、時々の彼女を演じる。幻想の部屋の女を演じたのは、芦那すみれ。スリムなスタイルと、セクシーな動きが魅力的だった。後で確認すると、にっかつロマンポルノのリブートプロジェクトで行定勲監督「ジムノペディに乱れる」のヒロイン役で出ていた子だった。


天空の部屋の小島聖は貫禄の演技だったが、かつての輝きはなかったかな。影の部屋の女を演じた松雪泰子は、妖艶な色気にノックアウトされそう。部屋それぞれの演出も凝っていて、背景に吹雪が舞う部屋は印象に残った。天王洲銀河劇場にて。

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あゝ荒野 後編 [シネマ&演劇]

ボクシングの激しい打ち合い、つい手に汗握って熱くなってしまった。映画だと分かっていても、血潮が飛び顔が腫れる場面が続くと、迫力に圧倒される。因縁の相手、ユウジとの壮絶な試合。ケンジとの宿命の対決。憎しみを超えたシンジの闘争心むきだしのファイトがまぶしかった。


寺山修司が生きた戦後、昭和の時代。様々な問題が噴出している3・11後の日本に、寺山のつづった物語はどんなメッセージを発するのだろう。そんな興味で作品を見たが、結局「つながり」というのが一つのキーワードだった。友だち、親と子、人と社会、それぞれがつながりたがっていて、できないでいる。登場人物それぞれのこれから、未来は、不安の中にある。「荒野」を歩き続けるしかない。

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アウトレイジ最終章 [シネマ&演劇]

完結編ということで見に行った。「ビヨンド」ほどの衝撃はなく、ある程度想定されたラストではあった。タケシ演じるオオトモが次々と敵を討つ。問答無用の殺し方はドライで、陰湿さがない。テレビゲームのようにバンバン殺ってしまう。


今回も主な出演者は男ばかり。会話の中では「奥さん」が出てくるが、画面には男の相手をするホステスや風俗嬢くらいしか出てこない。女性や子どもが殺されるような場面がないから、カラっとした印象があるのかもしれない。


韓国の闇社会を仕切るボスの方が、情に厚く、義を重んじる。勢力争いに血道をあげ、裏切りを繰り返す日本のヤクザと対比することで、日本の社会を皮肉っているのか。まあ、ラストは北野監督の美学かなあ。

タグ:北野武
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幣舞橋の夕日 [雑感]

出張で道東の釧路へ行った。「世界三大夕日」の一つといわれる幣舞橋(ぬさまえばし)から夕日を眺めた。

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午後4時半ごろから日没ショー。水平線近くには雲がかかっていたが、切れ間から赤い太陽が顔を出し、釧路川の水面には緋色の光の道ができた。日没地点と川の流れがちょうど同じ方向になるところがみそ。世界三大夕日の残り二つは、インドネシア・バリ島と、フィリピン・マニラとか。


両岸には夜の漁に備えるサンマ漁船が接岸。この日は大型客船も停泊中で、時折「ボーッ」という汽笛を鳴らし、港町の雰囲気を盛り上げた。橋の上は内外の観光客でなかなかのにぎわい。恋人と二人で見る夕日とはいかなかったが、十分ロマンティックな気持ちにしてくれました。

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