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おそろしいビッグデータ [読書日記]

「超類型化AI社会のリスク」というサブタイトルがついた、山本龍彦・慶応大法科大学院教授の新書。ビッグテータ時代が、憲法の基本理念を揺るがす恐れのあることをSFタッチのシナリオを示しながら解説している。

妊娠予測とベビー用品広告、メタボ予測、不安喚起とダイエット食品広告、個人の能力・信用力予測と社会的排除、個人の政治的信条の予測と選択的ニュース配信、再犯リスクの評価と刑事手続き。この5つのシナリオをあげて、AIが個人の過去を調べ上げ、その人の能力や適性を決めつける、おそろしさを指摘する。

象徴的な言葉が、「バーチャル・スラム」。プロファイリング、アルゴリズムによって、一度しくじったが最後、人生をやり直す自由を奪われてしまう。いったんネットの海に出た情報は容易に回収できない。プライバシー権という新たな概念を武器にすべきだと訴えるが、ネット万能の時代にどうやって生き抜いていけばよいのか、これからの大きな問題であると思った。

おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク (朝日新書)

おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク (朝日新書)

  • 作者: 山本龍彦
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2017/11/13
  • メディア: 新書

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池袋モンパルナスとニシムイ美術村 [アート]

都営三田線の終点・西高島平まで乗って、板橋区立美術館まで行った。かつて絵描きが多く住み、日本のモンパルナスと呼ばれた池袋、落合。そこで青春をすごした絵描きが沖縄に戻り芸術村をつくった。彼らの作品と交流の足跡を展示する。

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佐伯祐三や藤田嗣治、野見山暁治らそうそうたる画家たちの作品が並ぶ。作品には、かつての池袋や新宿の街並みが描かれていて、当時の雰囲気を知ることができた。かつて池袋は湿地でそこを開拓して安い住まいをつくったらしい。展示では、丸木位里、俊の沖縄戦の図の一枚もあって、こんなところで出会えるとは、ちょっと感動した。ちなみに板橋美術館のキャッチフレーズは、「永遠の穴場」。なるほど、とうなずける内容だった。

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記念に池袋モンパルナスの今昔を描いたイラストマップ(50円)を購入。1941年と現代の一帯を比較しながら街歩きができる。また今度、ぶらっとしてみるか。近くの高島平は、高度成長期にマンモス団地ができた。住民とともに年を重ねた街はどうなっているのか。ここもあらためて訪ねてみよう。さんぽ日和、奈良、鎌倉に次ぐという「東京大仏」を拝み、散策を楽しんだ。

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レッド・スパロー [シネマ&演劇]

3月29日にオープンしたばかりの東京ミッドタウン日比谷のシネコンで、ジェニファー・ローレンス主演の最新作をみた。ロシアのスパイとCIAの騙し合いというストーリーは、冷戦時代を描いた映画の定番だが、今回の作品の設定は21世紀のいま。ロシアの仕業とされる、英国での元スパイ殺人事件が外交問題に発展している現実が、作品がまったくの絵空事ではないのかも、というある意味リアルさを与えている。

とはいえ、作品の最大の魅力は、初めてフルヌードを披露した、オスカー女優ジェニファーの妖艶な演技。超絶アクションではなくて、艶技でオトコたちを翻弄する。目をそむけたくなる拷問、クールなまなざし。その対照的なシーンが印象に残る。バレリーナとしては、ふくよかすぎると思ったが、そのやせすぎていないスタイルが、力強い格闘シーンを迫力あるものにしている。

日比谷にできた大型シネコン。座席はゆったり快適でスクリーンも見やすい。丸の内、銀座、霞ヶ関に近い立地で、勤め帰りの人が多かった。金曜の夜は日比谷のシネコンという楽しみが増えた。

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少女都市からの呼び声 [シネマ&演劇]

新宿梁山泊の創立30周年記念第4弾公演を東中野の芝居砦満天星でみた。唐十郎が状況劇場の若手公演のため書き下ろした作品。演出の金守珍はフランケ醜態博士役が当たり役となった。今回も役者として出演し変わらぬ存在感をみせた。

ガラスの子宮を持つ雪子役は清水美帆子。アニメのヒロイン役になれそうな魅力的な声で、ガラスの透明感、儚さを熱演した。フランケの助手の渡会久美子はクールビューティ。久しぶりに見た山谷初男の笑顔、ギター抱えた中山ラビの貫禄の歌声もしっくりきた。

夢とうつつを行き交いながら進む物語。ラムネ瓶の中のビー玉は子宮の中のいのちであり、割れやすいガラスは儚さの象徴。クライマックスのビー玉の雨は、その子宮が砕け散るイメージなのだという。外連味豊かな舞台にたっぷり浸った2時間だった。

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美女劇 奴婢訓 [シネマ&演劇]

Project Nyxの第18回公演を東京芸術劇場シアターウエストでみた。水嶋カンナプロデュース。寺山修司作、天井桟敷の代表作を女性キャストだけで演じる。綾野アリスによると、「きれい系アングラ劇」。確かに「美女」たちの競演で艶めかしく、その分猥雑さは減殺された。

宇野亞喜良の舞台美術、金守珍の演出、黒色すみれのアコーディオンとバイオリン弾き語りが中世の世界へ誘う。主人と奴隷、支配と服従という関係を役者たちは演じるが、結局は人は欲望の奴隷になっているという現実を描いているのだろう。

宮沢賢治のイーハトーブを舞台としているのもちょっと驚いたが、いろいろなキャラクターが出てくるのも面白い。存在感があったのは小川碧水(すみな)が演じた乳搾り女のヒルダ。肢体をさらしての演技、そでのところで搾乳を続ける出ずっぱりのシーンは記憶に残った。浅草ロック座ストリッパーの若林美保の女神アルテミス、空中ぶらさがりパフォーマンスはみごとだった。

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シェイプ・オブ・ウォーター [シネマ&演劇]

恋愛映画を久々にみた。美女と野獣のようなシチュエーションがハリウッド=米国人は好きなんだなあ、とつくづく思う。今回はかつて見た半魚人のような不思議な生物が主人公。マイノリティーに対する差別感情を、米ソ冷戦時代という設定で描いてもいる。

懐かしいジャージーな曲が全編を通して流れ、時代の雰囲気を醸し出す。ヒロインはサリー・ホーキンス。半魚人と言葉で通じなくても愛情は理解できる、感じ合うことができる。ギレルモ・デル・トロ監督が言っていることはとてもシンプル。見る側は、いつの間にか、二人の逃亡と幸せを願っている。

グローバル化のせいか、最近は英語の原題そのままが多いが、素敵な邦題をつけてもよかったのではないか。「水の中のふたり」とか(古いか!)。


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終わった人 [シネマ&演劇]

サラリーマンには必ず訪れる定年。勤める身としては、人ごとと思えない心境で試写をみた。舘ひろし、黒木瞳の夫婦ははまり役、コメディタッチで、まさに泣き笑いの一作だった。

原作は内館牧子の同名小説。「定年って生前葬だな」というキャッチコピーがあまりに刺激的で、手にとることができなかった。ホラー映画で有名な中田秀夫監督が原作に惚れ込んでメガホンをとったという。

会社に行かなくてよくなる日。自分にあてはめて、まだ想像することができない。新たにやりたいことをやる。起業でも趣味でも勉強でも、何でもいい。男だったら最後の恋もしてみたい。甘い妄想と、厳しい現実が展開する。定年になった本人は、人生一区切りで、「ホントによくやった」と自分を褒めてよい。でも、家庭を持つ人なら、それは妻の支えあってのことだし、子どもがいたから頑張る気持ちも続いたのだ。その気持ち、家族への感謝を忘れてはいけないなあと、つくづく思う。映画のラストは、今風だなあ。

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みうらじゅんフェス [アート]

川崎市市民ミュージアムで開催中の「MJ's FES SINCE1958」を見にいった。「マイブーム」の全貌がまさに一堂に。世間の違和感を敏感に察知し、過剰に集め、だれに頼まれたのでもなく、徹底してやってしまう。本人は否定するが、アーティスト魂のようなものを感じた。

子どものころから収集癖、展示されたものは小学生のころからのコレクションであり、まんがなどの作品であり、スクラップである。怪獣のコレクション、栗田ひろみのブロマイド、京都の仏像写真など、マイブームの変遷が分かる。通常の人は、たぶん恥ずかしくって、公に展示できないだろうな、というものまで公開するところが、やはりアートなのかも。山田五郎と展示について語る館内ビデオは、面白すぎ。

ミュージアムは、武蔵小杉駅からバスで10分程度。帰りは駅まで歩いたが、公園近くの住宅街と駅前の高層マンションの対比に驚き。最近人気の街らしいが、自分的にはどうかな、と感じた。

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一陽来復 Life Goes On [シネマ&演劇]

東日本大震災からまもなく7年。岩手、宮城、福島で暮らし続ける人たちを追ったドキュメンタリーの試写をみた。国の「心の復興」事業の一環として制作された。監督はユンミアさん。時間的制約など条件をクリアしながら撮った、その苦労が見て取れる。

三人の子どもを一度に亡くした夫婦、結婚してまもなく夫を失い忘れ形見の子どもと暮らす妻、原発事故後も出荷できないコメを作り続けた農家。釜石、南三陸、石巻、川内、地域によって事情は異なるが、癒えることのない心の傷を抱えながらも前を向く。

一陽来復=冬が去り春が来ること。悪いことの後、ようやく物事がよい方に向くこと。津波が海底をさらったことで、漁場は生まれ変わった。大きな自然の再生の営みでもあったと話す漁業者の言葉。人々の営みが作り出した、原発政策や防災対策など、震災を機にどこまで生まれ変わることができるのだろうか。復興はなお途上であるとあらためて思った。

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銀河鉄道の父 [読書日記]

門井慶喜さんの直木賞受賞作。父親から見た、あの宮沢賢治の物語だが、作品は知っていても賢治のことをあまり知らなかったこともあり、童話作家の意外な一面を知った。

岩手・花巻の宮沢記念館を訪ねた際、賢治の日蓮宗への信仰のことを知った。しかし、質屋で地元の知名士だった父に金の無心を繰り返したりしたことなど、知らなかった。妹への愛情、父への反発、文学への思い。故郷イーハトーブへの思いの一方で、東京の出版社から本を出したいと願う。

天才的な文学の才能があっても、賢治にはごく普通の感情があったのだ。家父長制、家制度が確固としてあった明治の時代。その時代に生み出された物語が今なお読み継がれている、そのことに改めて感銘を受けた。

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

  • 作者: 門井 慶喜
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 単行本

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ミッドナイト・バス [シネマ&演劇]

ほぼ全編新潟ロケ、地元の新潟日報創刊140周年記念の一作。ことしの北陸は大雪被害で大変だが、雪の舞う新潟市内の映像をみながら、この季節の地元の人たちの苦労を思う。

東京と新潟をつなぐ長距離バスの運転手が主人公(原田泰造)。離婚して元の会社を辞め地元・新潟に戻り、息子と娘を育て上げた。東京・大森で居酒屋を営むアラフォーの恋人(小西真奈美がとても魅力的)と、元妻(山本美來)の間で揺れる男。東京では一人の男、新潟では父親としての顔を優先する。それぞれに責任を果たそうとする。

物語は淡々と描かれていく。これまではっきりものを言わなかった夫婦、家族。帰る家庭があることの安心、一人になることの寂しさ。ラストは原作(伊吹有喜作)とは違うらしいが、どこかストーカーのようなラストはいかがなものかと心にひっかかった。

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ジュピターズ・ムーン [シネマ&演劇]

ハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ監督作品。ガリレオが見つけた木星の衛星エウロパ、ヨーロッパと綴りが同じこの星の愛称を作品の題名にしている。SF仕立てだが、難民問題やテロリズムなど、ヨーロッパが抱える問題が描き出されている。

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国境を突破したシリア難民の少年が「天使」のように空中を浮遊できるようになる。不法移民、テロリストの嫌疑をかけられ逃走する中で、「奇跡」を起こす。目先のことにとらわれ、空を、天を見上げることがなかった人々が天上に舞う少年=天使を見て、涙する。


安楽死やLGBTの話も盛り込まれているが、キリスト教文化圏における「神の存在」、人間と神といった宗教的なテーゼの方に思考は及ぶ。生身の人間が空中浮遊するという、ある意味シンプルな神業を際立たせ、エンタテイメント作品にした監督の手腕に感心した。

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秘密の花園 [シネマ&演劇]

アングラ演劇を若手演出家が読み直す東京芸術劇場のシリーズで、福原充則演出の「秘密の花園」をみた。唐十郎が本多劇場のこけら落としのために書き下ろした。新築の舞台を水浸しにした伝説の作品だ。


日暮里のアパートの一室。ホステスいちよ夫婦に客の青年アキヨシが絡み物語が展開していく。洪水、菖蒲湯、坂道、自転車、草笛-イメージの連鎖。独特な色気のある寺島しのぶ、父・柄本明が初演した役を演じた柄本佑、ナレーションではないナマの田口トモロヲを初めて見た。


さすがにテント芝居の、あの猥雑さは少し足りなかったが、あのバイオリンのメロディーが響く、衝撃の場面、クライマックスでは、背筋にゾゾッとくる、エクスタシーのような感覚を味わった。言葉では言い表せない、やるせない気持ち、やはり傑作戯曲だと思った。

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熊谷守一 生きるよろこび [アート]

没後40年、久しぶりの東京での回顧展を竹橋の東京国立近代美術館に見に行った。青木繁と同世代の人で、明治から昭和にわたり97年の生涯に描いた作品200点余が展示されている。


明るい色彩、はっきりしたかたちが特徴らしいが、若いころは暗い色調が目立つ。子どもを失うなど苦難を経験しながらも画業に打ち込み、晩年になって独自の画境に到達したという。


作品は、明るい色調とともにより抽象化、シンプルなかたちになっていく。題材は近所の野良猫や、魚、草花など。悲しみを飲み込んだ、カラッと乾いた明るさ、心がポッと温かくなる。そんな印象を抱いた。

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花咲くころ [シネマ&演劇]

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岩波ホール創立50周年記念作品の第1弾、ジョージア(旧グルジア)の映画を試写でみた。ソ連からの独立後、内戦下の首都トビリシを舞台に多感な少女たちの日常を描く。


1974年、総支配人の高野悦子さんがエキプ・ド・シネマを始め、商業ベースになりにくい内外の映画を上映してきた。アジア、アフリカなどを中心に現在まで245本、55カ国の作品を単館上映してきたという。日本では毎年、1200本の映画が公開され、消費されているが、「映画の公開は再創造である」という理念の下、埋もれさせてはいけない、見て欲しい作品をセレクトし、公開を続けている。


「花咲くころ」では、物資が欠乏している食生活や、武器が簡単に手に入る日常、伝統的に行われている誘拐婚の話などが出てきて、驚かされる。その一方で、華やかな民族衣装を着て踊る少女たちはその独特のエキゾチックな顔立ちと澄んだ目が美しく、印象に残った。


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デトロイト [シネマ&演劇]

「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督最新作。1967年、米国第5の都市・デトロイトで起きた暴動の内幕を描いた、ドキュメンタリータッチの作品を試写会でみた。死者43人、負傷者1100人超。白人警官による黒人たちへの弾圧、暴力は50年以上たった今も続いている。「人種のサラダボール」といわれる米国の人種差別の根深さをニュースで見聞きしている身としては、衝撃というよりもため息の方が先に立つ。


延々と続く警官による尋問シーンは、見ているだけで胸が苦しくなる。身体的、精神的に追い詰める執拗なやり口。警察や軍隊など権力を持つ側の暴力の怖さをあらためて思い知る。


米国では、年間およそ300人が警官によって殺されている(主に射殺か?)という。銃が野放しの国とはいえ、日本ではとても考えられない。国内で深刻な差別問題を抱えながら、世界に向けては民主主義と人権を旗印に外交を進めてきた米国の矛盾。国際政治の複雑怪奇な実態を思う。

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嘘八百 [シネマ&演劇]

新年一発目は、まあ笑いたいな、と日本橋のTOHOシネマズへ。中井貴一と佐々木蔵之介のダブル主演を、渋い脇役が固め、正月らしい?コメディとして楽しく見られた。


古物商と陶芸家が組んで、千利休の茶碗でひともうけしようと企むお話。骨董の世界は、「いい味出してますねえ」ではないが、その業界の目利きのお墨付きが威力を発揮する。お墨付きさえあれば、物の真贋を問わず高く取引されると言っても過言ではない。かの業界に疎い者からずれば、そう思える。


トランプ米大統領登場いらい、世界的な流行語となった「フェイク」。嘘やまがい物が「真実」や「本物」になってしまう現代にあって、信じられるものは一体何なのか。笑いながらそんな事を考えたりした。





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見ることのリアル:レアンドロ・エルリッヒ展 [アート]

六本木ヒルズの森美術館で、「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」をみた。見る人が参加して体験するインスタレーションなどの作品。固定観念を覆す、トリックアートの中でしばし遊んだ。

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「クラウド」アートでは日本列島やフランスなど、世界地図でなじみのある国のかたちを表現していた。この手法のアートは内幸町のイイノビルにもあった。空に浮かぶ雲や夜の星空に、意味のある「かたち」を創造する人間。そうした想像力を生かした作品だ。

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試着室に入ると、鏡の向こうに無限に部屋が続く。どれが鏡で、どこが筒抜けなのか。錯覚に陥り、出口のない迷路のような怖さを味わえる。

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建物の壁をよじ登ったり、座ったりしている自らをカメラでパチリという大型作品は大人気で、これは一番のインスタ映えスポットかも。金沢21世紀美術館に常設されている「プール」という作品の模型もあった。今展の現代アーティストの名前はこれまで知らなかったが、意外なところで作品には出会っていて、都会にはアートが点在しているのだな、と実感した。

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はじめてのおもてなし [シネマ&演劇]

ドイツのアカデミー賞観客賞を受賞した作品を試写会でみた。アフリカの難民を受け入れたハートマン家の人々の困惑と大騒動をコメディタッチで描く。定年世代の夫婦の葛藤や、離婚して父子家庭の息子、こじらせ女子の娘ら。経済的な豊かさゆえに、効率一辺倒の思考や、行き過ぎた個人主義で、大事なものを見失った人々が登場する。日本の社会と変わらぬ状況を描いたドラマに考えさせられた。


シリアなど中東の難民は、欧州の大きな政治・社会問題だ。国内の経済格差問題と絡み、移民排斥の動きが過激化する国も多い。でも、この作品は、単に難民問題の深刻さを訴える映画に終わっていないところが魅力。移民問題を語ることで、不寛容な時代の空気を「これでいいの?」と告発しているのだ。


サイモン・バーホーベン監督。ドイツの著名な俳優たちが出演しているらしいが、近年ドイツ映画を見た記憶がなく、ピンと来なかった。勤勉さという点では、日本とドイツは似ていると言われる。すんなりストーリーについていけたのは、そんな親しみ深さや、似た国民性があるのかもしれない。

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西郷どん! [読書日記]

2018年のNHK大河ドラマの原作を読んだ。林真理子さん作で、並製の上中下。かつて「翔ぶが如く」はじめ、司馬遼太郎の本を読んで以来の幕末、西郷もの。若き日の西郷どん、奄美に島流しされた話など、知らない話にスポットを当てる。


林さんは結構、歴史ものを書いていて、「白蓮れんれん」が面白かったので、今回手にとってみた。明治維新という歴史的できごとを追うだけでも大変なのに、それをドラマ用にいかにはしょりながら書くのか。そんな興味もあった。


おいたちは土の国の者。百姓をやるようにできている。アジアの国はみんな同じ。手をつないで鉄の国の欧州に立ち向かわないといけない。鉄の国の論理ではなく、百姓をする国をつくろう。西郷どんの思いは、今も日本の国づくりの根っこにある。

西郷どん! 並製版 上

西郷どん! 並製版 上

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本
西郷どん! 並製版 中

西郷どん! 並製版 中

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本
西郷どん! 並製版 下

西郷どん! 並製版 下

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本

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