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講談社エッセイ賞 [読書日記]

都内であった講談社エッセイ賞の授賞式を覗いた。今年の受賞者は小泉今日子さんと穂村弘さん。二人とも人気者、というかキョンキョンの受賞ということで、会場は例年以上の大賑わい。メディアも大勢詰めかけていた。


小泉さんは受賞あいさつで、20代のころ雑誌にエッセイを連載し、そのときに演出家の久世光彦さんに言われたことを紹介。とても素敵なエッセイだけど、自分のいいところばかり書いている。いつか嫌なこととかも書けるようになれたらいいね。受賞作の「黄色いマンション 黒い猫」は、その久世さんのアドバイスを素直に受け止め、文章にしたのだという。林真理子さんは選評で、小泉さんの文章のセンスのよさを指摘したうえで、自分の存在や過去をこれだけ客観視できる人はそういない。スターと言われる存在であれば、なおさらだと言っている。間近で見た小泉さんは相変わらずおしゃれでカッコよかった。


続いてあいさつした穂村さんは、受賞作の「鳥肌が」は怖いもの見たさという気持ちで書いた。短歌の人らしく言葉について自らの解釈を縷々述べた後、怖い短歌を一首紹介した。


ほんとうはあなたは無呼吸症候群 おしえないまま隣で眠る


たぶん横に寝ているのは夫であろう。そうした情景が怖い。そういった夫婦の関係が怖い。それを新聞に投稿する、しかも名前を公表して。それも怖い。などと穂村さんは話し、会場は爆笑に包まれた。以前から穂村さんの文章が面白くていろんな著作を読んでいる。東海林さだおさんは選評で、感性の角度が面白いと指摘していて、なるほど巧いことを言うと感心した。

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

  • 作者: 小泉今日子
  • 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 単行本
鳥肌が

鳥肌が

  • 作者: 穂村 弘
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/07/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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祈りのかたち [アート]

仏教美術入門というサブタイトルがついた展覧会。丸の内の出光美術館に久しぶりに行った。会期がきょうまでということもあり、この美術館にしては多い人出。同館所蔵の仏画、仏像、曼荼羅などを鑑賞した。


阿弥陀如来の教えを守り極楽浄土へ行けるか、それとも地獄か。人々は極楽行きを願い、お経を唱えた。地獄にもいろいろランクがあって、阿鼻叫喚というのは地獄の呼び名であることを知った。阿鼻地獄が最も厳しい地獄らしいが、殺人や窃盗とともに不倫というのも地獄行きの罪に挙げられていた。いくら科学が進歩しようと、人間界でやってること、悩んでいることはあまり変わらないのだなあ、と思った。


この美術館には休憩コーナーがあり、お茶のサービスもある。皇居のお堀を眺めながら、ゆっくりできる。ちょっと涼しくなった日曜の昼、心の洗濯をした。

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リベラルという病 [読書日記]

コンサバか、リベラルか、と問われれば、自分はリベラルと思っていた。だが、この本を読むと、米国のリベラルと日本人の考えるリベラルにはかなり違いがあるというのが分かった。


リベラルという宗教、最高裁判事という権力者、揺らぐ家族像という3つの章で、米国の歴史と現実を解説しているが、一番面白かったのは最初の章。「人種間の平等」という大原則が、性的、性指向的、いかなる意味でも少数者を差別しないポリティカル・コレクトネス(PC)に発展。どんな私的な空間でもわずかなことでも差別に対しては決して許さない「ゼロ・トレランス」が社会を息苦しくさせているのではないか。そうした現状に不満を持つ人がトランプ支持を拡大させた背景にもあるという。


リベラルという語感には自由なイメージがあり、個々の判断を尊重するイメージがあったのだが、実は主張に反するものには不寛容であるというのが意外だった。むしろコンサバの方がある意味で寛容な面があるという。外交を例にとれば、リベラルは「米国の民主主義を世界に広める」を旗印に積極介入する。コンサバは自国の利益が第一という判断。


著者の山口真由さんは東大出の財務官僚で米国で弁護士をしていた。最後の章の日本のリベラルについての分析は、まあそんなものかなという感じ。米国発のニュースを理解するには、いい一冊だと思う。


リベラルという病 (新潮新書)

リベラルという病 (新潮新書)


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顔に降りかかる雨 [読書日記]

桐野夏生さんのデビュー作で、江戸川乱歩賞の受賞作。女性探偵、村野ミロシリーズの第1弾ということで、期待して読んでみた。


でも、まあデビュー作というのは、こんなものなのかなあというのが読後感。不明の親友を捜すミロと相棒の男がいい感じになって、男女の関係になりそうなくだりの唐突感。最後の謎解き場面の冗漫なモノローグなど、未熟な書きぶりが気になった。


女のもろさ、しなやかさを書かせたら、当代随一の桐野さんとはいえ、デビュー時はまだ甘かったんだなあ。講談社文庫の新装版、表紙の女性のイラストに惹かれたが、「ジャケ買い」はするものではない、と反省。


新装版 顔に降りかかる雨 (講談社文庫)

新装版 顔に降りかかる雨 (講談社文庫)


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奇跡の星の植物館 [雑感]

初めて淡路島に行った。新幹線新神戸駅からクルマで明石海峡大橋を渡り、40分ほどでホテルに着いた。神戸市街からこんなに近いとは。完全に通勤圏内だ。

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淡路夢舞台にある「奇跡の星の植物館」へ。名前がいいよね。大規模な温室に熱帯の珍しい植物がきれいな花をつけている。植物園というよりガーデニング感覚のフラワーアレンジが魅力。送風機をフル稼働していたが、さすがに真夏はさわやかではない。

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一帯は建築家安藤忠雄さんの設計によって国際会議場やホテル、百段園というステップガーデン、野外劇場などが整備されている。どれも個性的なデザインで、「海の教会」は光の十字架が素敵。こんなところでウエディングを挙げたら、きっと幸せな新婚生活が送れるかもね。

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地元の人のおすすめで、北淡震災記念公園にも行ってきた。阪神淡路大震災のときに現出した「野島断層」が保存されている。天然記念物の断層をすっぽり屋内に保存している。地面のズレ、段差をそのまま見ることができる。すぐ側にあった民家は倒壊せずに今も残っていて、ほんのわずかな位置関係が生死の境を分けたことを物語る。模擬装置で強震度の揺れを実体験し、あらためて地震の恐ろしさを噛みしめた。

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野島断層保存館


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活断層がずれて大地震が起きた

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業音 [シネマ&演劇]

作・演出松尾スズキ。大人計画の「日本総合悲劇協会」ユニットによる「業音」を東京芸術劇場シアターイーストでみた。NHKの時代劇「ちかえもん」や、エッセーでファンになった松尾スズキ。一度舞台を見たかったのが、ようやく実現した。

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15年前に荻野目慶子ヒロインで初演した話題作。9・11同時テロや高齢者問題、サラ金など、当時の時代背景を感じさせるが、内容は悲劇的場面に人間のおかしさを見出し、その「業」を描く。松尾スズキの頭の中をそのまま舞台にしたのではないか。先月まで新聞連載していたエッセーを思い出した。やたら「×んこ」という言葉がセリフに出てくるし、お尻丸出しの場面も出てくる。


でもそれが下品ではなく、必然性があるのが不思議。踊り子が舞う場面転換はなかなかしゃれているし、セットと合わせ松尾スズキの美学のようなものが感じられた。

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主演の演歌歌手役の平岩紙はさすがの熱演。宮崎吐夢、皆川猿時も当然ながら存在感があった。

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ベイビー・ドライバー [シネマ&演劇]

エドガー・ライト監督。アンセル・エルゴート主演。銀行強盗一味の逃走ドライバー役である「ベイビー」。ipod音楽を聴きながら超絶ドライビングを披露する。ミュージックとクルマと恋。今も昔もアメリカを象徴するようなシネマだ。


映画の間常にかかっている音楽は、主人公のベイビーの耳できこえる音という設定。片方のイヤホンを外すと音量が落ち、事故いらい悩まされている耳鳴りも時に聞こえる。まるで自らが主人公になったように、物語に没入してしまうという仕掛け。


恋人デボラ(リリー・ジェームズ)と二人での国境を目指す逃避行は、「俺たちに明日はない」のボニー&クライドを彷彿させる。ストーリーの中で大きな役割を果たすカセットテープがとても懐かしい。アナログな温かさが、愛する母と良心の呵責という作品のテーマとマッチしている。




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任侠外伝 玄界灘 [シネマ&演劇]

東京国立近代美術館フィルムセンターの特集「逝ける映画人を偲んで2015-2016」で。1976年、唐十郎の初監督作品。芝居でしか見たことのない唐十郎の世界がどんな風に映画で描かれるのか、興味津々で見た。


状況劇場の看板だった根津甚八、唐さんの妻だった李礼仙。当たり前だが若くて、生き生きしている。釜山と下関が舞台で、朝鮮戦争の影と、海峡をはさんだ日韓の人とカネの行き来を背景に親子、男女の愛を描く。イメージの連鎖が特色の舞台とは違い、ある程度のストーリーは追えた。


舞台ではおなじみの怪しいキャラが銀幕でも随所に出てくる。暴力やエログロは、何かと規制の多い今よりも過激で、時代を反映してストリップ小屋のシーンも。何か面白いことをやってやろうという意欲が随所に見て取れる。


安藤昇、宍戸錠、常田富士男、小松方正ら懐かしい顔。若き日の石橋蓮司、小林薫がいた。嵐山光三郎もいた。もちろん唐さんもちょい役で出ていた。どぶ川(鶴見川らしい)に棄てられた李を抱擁する根津、それがラストシーン。ヘドロの中でのラストも70年代らしい。花園神社や鬼子母神の紅テント舞台だとどんな演出になるのか、想像しながらスクリーンを見た。


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愚行録 [シネマ&演劇]

石川慶監督。主演は妻夫木聡、満島ひかり。人間の本性があぶり出されるミステリー群像劇との解説だが、裕福な子弟が多い某K大学をモデルにしたような話が出てきて、昨年世間を騒がした広告研究会の暴行事件を想起させた。おまけに準主役の小出恵介もJK淫行事件で引退に追い込まれたとあって、妙にリアリティーがあった。

満島は、デビュー作「愛のむきだし」いらいキュートで演技派でもあり、贔屓にしている。でも、彼女が結構な読書家であるのは知らなかった。文藝春秋8月号に読書遍歴を明かしていて、おまけに短編小説も書くと知り、「へえ」と感心してしまった。もともと歌手デビューしていたし、そんな雰囲気ではないと思いこんでいた。

今作では幼児虐待で捕まった母親の役。コンプレックスを抱えた地方出の娘役は適役。ただ妻夫木との兄妹役はどうなのか。もっと暗い影のある俳優の方がよかったのではないかと思った。


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しゃぼん玉 [シネマ&演劇]

飯田橋の名画座・ギンレイホールに行く。二本立てで1500円という名画座価格にお盆休みの人たちが集まった。中高年夫婦も多く、午後の入れ替え時には行列が出来ていた。


「しゃぼん玉」は、東伸児監督、主演林遣都、市原悦子、藤井美菜。青年が人の温かさに触れ心を開き、人として再出発する姿を描く。


舞台は宮崎県椎葉村。平家の落人伝説が残る山村で、最近は鶴富姫の悲恋物語をテーマに武者行列を仕立てたりして、平家祭として売り出し、結構観光客が訪れるようになった。


本当に素朴な村の人たちが描かれていて、山菜をメーンとした食卓のごはんのおいしそうなこと。果たして「しゃぼん玉」というタイトルはどうなのか。乃南アサのベストセラー小説映画化らしいが、内容とタイトルにミスマッチがあるような気がした。

しゃぼん玉 (新潮文庫)

しゃぼん玉 (新潮文庫)


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月の満ち欠け [読書日記]

佐藤正午さんの直木賞受賞作。「永遠の二分の一」いらい本当に久しぶりに佐藤作品を読んだ。長崎佐世保市に住み続け、競輪をこよなく愛しながら小説を書き続けてきたという。作家にも佐藤ファンが多いというだけあって、小説っていいなあという読後感だった。


月が満ちて欠けるのを繰り返すように、人も死んで生まれ変わる。思いを残したまま死んでしまった人は、愛した人にまた巡り会い思いを伝えるために生まれ変わる。実際、前世を記憶する子どもたちがこの世にはいるらしい。科学的に証明できない話をベースにしながら、「とんでも話」にならないのが佐藤さんの巧いところなんだろう。


神様はこの世に誕生した最初の男女に二種類の死に方を選ばせた。ひとつは樹木のように、死んで種を残す。もう一つは月のように、死んでも何回も生まれ変わる道。


SNSが発達した現代でも出会える人の数はたかが知れている。巡り会いは、いわば運命なのだろう。その運命の人がもし突然、自分より先にいなくなったら。生まれ変わりの話が流布するのは、「また逢いたい」という願望がだれの心の中にもあるからだろう。

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞




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寺山修司名言集 身捨つるほどの祖国はありや [読書日記]

幻想市街劇をみて、あらためて思ったのは寺山のアフォリズム(警句)における才能のすごさであった。今回の公演でも、市内各所に言葉があり、そのこころを噛みしめた。

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どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう


この世でいちばん遠い場所は自分自身の心である


わかれは必然的だが出会いは偶然である

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人はだれでも遊びという名の劇場をもつことができる


旅は出会いである。人は出会いの偶然を求めて汽車に乗る


男は生涯に1回だけ勝負すればいいのだ

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幻想市街劇「田園に死す 三沢篇」 [シネマ&演劇]

昔名画座のスクリーンで見た「田園に死す」。市街劇という形で40年ぶりに物語の世界に浸った。寺山修司記念館20周年特別公演。J・A・シーザー総指揮・構成・演出・音楽
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寺山の故郷・青森県三沢市。今はテラヤマロードと名付けられた商店街を通行止めにし、舞台とした。通りを堰き止めるように組まれたやぐらと白い幕。顔を白塗りした水兵が手旗信号で幕開けを告げる。寺山自身と思われる学生服の少年、黒装束の男女に続き、異界から来たと覚しき老若男女の行列が。寺山の言葉、音楽、踊りが渾然となって、観る者を惹きつける。
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商店のウインドーやガソリンスタンドにも寺山の短歌や言葉が掲げてある。路上もチョーク書きのキーワードで埋め尽くされている。観客は寺山のお面をつけ、歩きながら、それらを見て口ずさみ、自ら書き込む。
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旧十和田観光電鉄の駅舎や、寺山記念館でもパフォーマンスがあり、寸劇や現代舞踏、朗読、歌唱などで寺山の多彩な作品を表現した。記念館では、マンガと寺山のつながりに焦点をあてた特別展示もあった。
言葉へのこだわり、言葉が世界を変えるのだと心底信じ、それを実践した天才作家の精神世界を覗いた一日。公会堂でのフィナーレでは、観客が舞台に上げられるハプニング的演出。まんまと一杯食わされ、つい笑ってしまった。
東北の厳しい自然と、豊かな文化的風土。米軍基地との共存。三沢という街を歩き回りながら、寺山作品に触れられたのは、何よりだった。

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ウランバーナの森 [読書日記]

奥田英朗さんのデビュー作を新しくなった文庫で読む。生者と死者がふれあう不思議な体験を通し、主人公の心の傷が癒える。

あとがきによると、奥田さんの病気体験と知識を活かし、特有のユーモアを生み出している。氏のその後の作品に出てくる変な医者や、魅力的な看護師も、片鱗が垣間見える。

ウランバーナは、サンスクリット語とかで、お盆のこと。舞台は軽井沢、これからの時期にちょうど良いストーリーだ。

タグ:奥田英朗
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TOKYO ART CITY [アート]

東京ドームシティのギャラリーAaMoで開かれている「TOKYO ART CITY」に行った。都市とはアートである、というコンセプトで東京の今を光によって表現。熱中症になりそうな猛暑を逃れ、涼しいデジタルアートの世界に浸った。

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新宿の歌舞伎町。ゴジラがいて、けばけばしいネオンがまたたく。エネルギーあふれる街。雑多なものが混ざり合ったTOKYOの象徴ともいえる。建造物やサイネージ、集まる人さえ、都市を彩るアート。そんなメッセージと受け取った。


以前東京駅の丸の内側駅舎で行ったが、大変な人出で中止になってしまったプロジェクションマッピングをミニチュアの駅舎で上映していた。東京国立博物館でのマッピングもやっていたが、やはり屋外でやってこそ、スケール感があり感動があるのではないか。室内展示の限界を感じた。


ロボットのようなコスチュームの「サムライズ」が、SF世界のガイド役のように会場でパフォーマンス、記念撮影にも応じてくれる。東京タワーから眺める、星降る都心のビル群。暑さを忘れさせてくれるアートイベントといえるかも。


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近くの文京シビックセンターでは、本郷旅館街展をやっていた。かつて本郷地区には、100軒以上の旅館が軒を連ねた。昨年、朝陽館がなくなり、残るのは東大近くのわずかな何軒かのみ。朝陽館の模型や、使っていた備品などが展示されていた。いま一帯はマンションが建ち並び、かつての面影はない。「東京」から「TOKYO CITY」へ。時代の移ろいを考えた一日だった。

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寝盗られ宗介 [シネマ&演劇]

北区AKT STAGEによる、つかこうへい作「寝盗られ宗介」を北区王子の北とぴあつつじホールで観た。錦織一清演出。旅回りの劇団の物語で、劇中劇がシンクロしながら、話が進む。

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例によって、つか芝居の主人公はカッコいい。そして、熱く、わがままである。座長と看板女優。貧乏しながらも、生活のすべてを芝居に注ぐ。不器用で屈折した男の愛情表現。時に女はそんな愛のかたちに不安を感じてしまう。


昭和歌謡「お嫁サンバ」や、EXSILEのナンバーで、雰囲気を盛り上げながら、クライマックスへ。2キャストあって、観たのは「白菊」組のステージ。「女心も救えないで、なんで日本が救えよう」。その通りだと思うけれど、ね。

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会場の北とぴあ前で、長崎にある平和祈念像のミニチュア像を発見。なぜ?と思って銘板を見ると、作者の北村西望氏が名誉区民なんだとか。非核都市宣言にあわせて建立されたという。

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國學院大学博物館 [アート]

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渋谷で仕事があり、近くの國學院大學博物館を覗いてみた。キャンパス内の神社を参拝後、向かいの学術メディアセンター地下1階にある博物館(入場無料)へ。

樋口清之さんがいた大学というぐらいしか認識はなかったが、大学の名前である国学の歴史(久しぶりに本居宣長、平田篤胤といった人たちの名前を見た)や考古学の資料が結構な規模で展示されていて感心した。

特別展として高円宮家所蔵の根付コレクションもやっていた。根付は印籠や巾着、煙草入れ、矢立などの提げ物を帯から吊す時に使う、滑り止めの道具。江戸独特の美的感覚が育て上げた「掌におさまる美術品」といわれる。そこだけは撮影OKで、人や動物など多様な意匠の根付が並んでいた。

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福岡の西南学院大博物館と提携していて、展示フロアには西南コーナーがあった。神道とキリスト教の大学が提携しているのは、ちょっと興味深い。神に祈る真摯な気持ちは洋の東西を問わないということかしら。


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パラミタミュージアム [アート]

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三重県菰野町のパラミタミュージアムに行った。パラミタは、梵語の波羅蜜多(はらみった)に由来。迷いの世界である現実世界の此岸から、悟りの境地である涅槃の彼岸に至るという意味で、芸術に触れてしばし現実から遊離するひとときを味わってほしいということらしい。

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目玉は、世界的版画家・池田満寿夫の般若心経シリーズ。仏の顔を浮き彫りにした陶芸のオブジェで、輪廻転生を表現した。版画では日本的な要素を廃したが、晩年のこの作品群では仏教芸術によって日本のこころに回帰したという。

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展示は江里佐代子の工芸や、田村能里子の絵画などがあり、仏教にこだわっているわけではない。しかし、ちょうど開催されていた棟方志功の作品展や、中村晋也の釈迦十大弟子など、仏教テイストの作品が印象に残った。自動で動くからくり人形の実演、緑あふれる庭園の散策路もすてきだった。

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近くの湯の山温泉は、泉質がよく人気の温泉地。かつて「男はつらいよ フーテンの寅」のロケがあった。

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クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム [アート]

渋谷の松濤美術館で特別展をみた。スティーブンとティモシーのクエイ兄弟は一卵双生児ロンドンを拠点にアニメ映画制作、CM、舞台美術など、幅広い分野で活躍しているという。

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作品は、幻想的で陰鬱な感じだが、どこか哲学めいたビジョンが垣間見える。絵やポスター、アニメ撮影に使った人形や装置などが展示されていて、上映されている映像作品に最も惹きつけられた。人間の頭の中や、臓器を取り出したりする、魔術的な映像。しかし、CGのような即物的、リアルな描写ではなくて、紙や木といった素朴な材料で表現されているため、グロテスクさはない。

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「さほど不思議ではない国のアリス」といった、ユーモラスなタイトルもなかなか気に入った。日本では映像作家として一部に知られているだけらしいが、欧米では多彩な活動をしているという。ミニチュアでみたような、クエイ兄弟の舞台美術をぜひ一度見てみたい。

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TAP THE LAST SHOW [シネマ&演劇]

水谷豊の初監督&主演作品。20代のころからアイデアを温め、40年かかって実現したという。子役から始まり、「傷だらけの天使」でブレークし、「熱中時代」、「相棒」などテレビドラマを中心にヒット作をものにしてきた役者というイメージだっただけに、タップダンスというのは少し意外だった。


300人の若いダンサーオーディションで絞り、5人の若手メインキャストを選んだ。それはそのまま映画ストーリーと重なる。確かに選ばれただけあって、そのタップは超絶技巧。ラスト20分余のダンスは、アクロバティックな動きもあり、ショーアップされている。


でもナマのタップの舞台を観た経験からすると、やはりスクリーンでは物足りないというのが正直な感想。舞台での息づかい、歌声、演奏、観客の拍手があるから盛り上がるのだ。いつかナマの舞台で、「TAP THE LAST SHOW」を再演してほしい。

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