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月の満ち欠け [読書日記]

佐藤正午さんの直木賞受賞作。「永遠の二分の一」いらい本当に久しぶりに佐藤作品を読んだ。長崎県佐世保市に住み続け、競輪をこよなく愛しながら小説を書き続けてきたという。作家にも佐藤ファンが多いというだけあって、小説っていいなあという読後感だった。


月が満ちて欠けるのを繰り返すように、人も死んで生まれ変わる。思いを残したまま死んでしまった人は、愛した人にまた巡り会い思いを伝えるために生まれ変わる。実際、前世を記憶する子どもたちがこの世にはいるらしい。科学的に証明できない話をベースにしながら、「とんでも話」にならないのが佐藤さんの巧いところなんだろう。


神様はこの世に誕生した最初の男女に二種類の死に方を選ばせた。ひとつは樹木のように、死んで種を残す。もう一つは月のように、死んでも何回も生まれ変わる道。


SNSが発達した現代でも出会える人の数はたかが知れている。巡り会いは、いわば運命なのだろう。その運命の人がもし突然、自分より先にいなくなったら。生まれ変わりの話が流布するのは、「また逢いたい」という願望がだれの心の中にもあるからだろう。

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

  • 作者: 佐藤 正午
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 単行本



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