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蛇姫様 わが心の奈蛇 [シネマ&演劇]

新宿梁山泊第65回公演「蛇姫様」を新宿・花園神社の特設紫テントでみた。1977年九州・筑豊田川のボタ山で、嵐の中1000人の観客を集めて行われたという伝説の演目。朝鮮半島から北九州・小倉への死体運搬船で生まれた姫の出生をめぐる物語が濃密に展開する。

唐十郎が「二都物語」ソウル公演の船旅で着想を得たという。国籍や戦時暴力、戦災孤児‥‥。日韓間で尾を引いてきた問題を想起させるエピソードが作品の中でストレートに出てくる。叙情よりも社会性が表に出てくるという点で、今までみてきた唐作品とは少し異なった印象を受けた。

水島カンナはてんかん持ちのヒロインあけび役をまさに迫真に迫る演技で魅せた。お色気場面も含め、コンプラのうるさい電波では流せない、舞台ならではの表現を堪能できた。小林少年の申大樹もキレのいい動きが気持ちよかった。ベテラン三浦伸子はさすがでしたね。産みと海。3幕3時間近い舞台は上と下の間を水路が仕切る仕掛けで、水しぶきが客席にかかる度に大歓声。大仕掛けのクライマックスも幽玄な境内の雰囲気が出ていて、なかなかの見ものだった。

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エリカ38 [シネマ&演劇]

昭和の時代のアイドル「美代ちゃん」、浅田美代子が初めての汚れ役に挑むというので、「エリカ38」を見に行った。タイの若い愛人との濡れ場はなかなか刺激的。女の性をある意味、あっけらかんと演じている。明るい南国の日差し、華やかな衣装を着ればまだまだ若い。しかし、収監された姿はメークのせいもあるだろうが、年相応だ。「赤い風船」を歌っていた、可憐なアイドル時代を思い浮かべて、時の流れを感じずにはいられなかった。

つなぎ融資の女王といわれ、最後は国際手配犯としてタイで捕まった女性の事件がモチーフ。男たちを手玉に取り、カネを巻き上げる悪女の側面よりも、幾つになっても「かわいい女」という側面にウエイトを置いた描き方だった。悪びれる風もない開き直り方は、浅田の天然な演技か。妙にリアルに感じた。

故樹木希林が友人である浅田にぜひ詐欺師をやらせたいと企画したという。確かに浅田のようなキャラの女優がやった方が意外性があって面白い気がする。それだけに被害者へのインタビューで女詐欺師の実像を浮き彫りにしていくという、ドキュメンタリータッチの構成というのは、作品として果たしてどうなのだろう。実際の事件をモチーフにしつつも、もう少し少女時代の出来事を絡ませながら、女の本性を掘り下げていくドラマにした方が良かったのではないか、と思ったりした。
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海辺のカフカ [シネマ&演劇]

村上春樹のベストセラーを蜷川幸雄が演出した舞台をTBS赤坂ACTシアターで見た。水槽のようなセットがステージ上を移動し場面転換する。基本黒子が押す人力で、図書館の一室から神社、雑木林、中型トラックまでが台車にのって前面に出てくる。入り組んだ村上作品の世界をどうしたら舞台でスムーズに見せることができるか。全て人の手、アナログでやることが蜷川の答えだった。

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「海辺のカフカ」は随分前に読んで詳しい内容は忘れてしまっていたが、村上の最新長編「騎士団長殺し」を遅ればせながら文庫で読んだばかりだったので、夢と現実を行き来するような作品世界には比較的すんなりと入ることができた。小さな水槽に入った寺島しのぶ扮する佐伯さん。寺島は「蜷川さんが残した装置と対決している感じ」と語っていたが、狭い水槽でうごめく姿が印象に残る。木場勝己演じるナカタさん、世界の真実を知る男を実直に表現していた。

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2012年の初演では、田中裕子が主役だった。今回フランス公演のため、木場や古畑新之、柿澤勇人といったオリジナルメンバーに加え、寺島、岡本健一、木南晴夏らが参加したという。

公演中に千葉震源の地震があり、客席も結構揺れた。一瞬小さくどよめいたが、舞台上の役者(確か寺島と木場)は驚くこともなく演じ続けた。さすがプロだね、と称賛の声あり。

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ジャガーの眼 [シネマ&演劇]

唐組の第63回公演「ジャガーの眼」を雑司が谷の鬼子母神・紅テントで見た。1983年(昭和58)に亡くなったアングラ演劇の旗手・寺山修司へのオマージュとして、唐十郎が創作した。寺山が愛用したジーンズサンダルが巨大化して冒頭から出てきたり、劇中でも詩人・寺山の名が何度か出てくる。寺山の最後の演劇論集「臓器交換序説」にもヒントを得たといわれる。 IMG_2510.jpg 今回の公演は、内野智、月船さらら、大鶴美仁音が客演していて、いつもよりパワーアップした感じ。移植された眼球の角膜に残るかつての恋人の残像。謎の探偵社や、怪しい医者らが絡まって、大活劇を繰り広げる。 IMG_2512.jpg 雑司が谷の初日ということで、なかなかの入り。5月のこの時期の公演は暑くも寒くもなく、つくづく観劇日和で幸せな気分になる。2時間余りの公演はカタルシスを感じさせる大団円で幕。出演陣の紹介と挨拶の後、舞台の向こう、境内の暗闇に役者たちがそれぞれはけていく。やり切った感のある、この感じがたまらなくいいなあ、と思う。
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クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代 [シネマ&演劇]

「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を試写会で見た。上野であっているクリムト展の前にお勉強と思って見たのだが、クリムトの生涯をたどる訳ではなく、むしろ19世紀末ウィーンの爛熟した空気、ハプスブルク伝統の文化を打ち破った革新的な動きを、美術だけでなく音楽や学術方面にまで視野を広げて紹介している。

性的表現については、まだ厳しかった時代に、クリムトは官能的な表情の女性を描いた。クリムトに学んだシーレは、男女の性器をそのまま描き、その作品は長い間、ポルノの範疇に括られていたという。映画で見た作品からは、人間の不安や恐れ、孤独が感じられる。少なくともワイセツな感じは受けなかった。

クリムトやシーレと同時代を生きた、フロイト、マーラー。精神分析の権威や、クラシック音楽の巨匠として、彼らの作品や業績は20世紀を超えて、現代まで生き続けている。そんなことを考えながら、次はクリムト展に行ってみようと思う。

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いつかギラギラする日 [シネマ&演劇]

深作欣二監督の特集を京橋の国立映画アーカイブでやっていたので見に行った。作品は、1992年、深作監督がプロヂューサー奥山和由と唯一組んだもので「いつかギラギラする日」。萩原健一、ショーケンが主役で、千葉真一、原田芳雄、八名信夫、木村一八といった懐かしい面々が出ている。

北海道の函館あたりのロケで、カーチェイスと撃ち合いがなかなかハンパない。ひたすらカネの争奪戦で、とにかくイケイケで製作した様子が浮かぶ。紅二点の多岐川裕美、荻野目慶子。ショーケンの彼女役の多岐川も色気があってよかったが、やはり荻野目の、はっちゃけたギャル姿でマシンガンを撃ちまくる姿が素晴らしく弾けていた。木村とのラブシーンでは、バストを披露する身体を張った演技も。

激しいアクションシーンが続く中で、だれか自分を見てほしい、本気で向き合ってほしいという、荻野目の孤独な心象風景が挿入される。銀座の雑踏で風船を持って佇む映像。娯楽アクション映画ではあるけれど、その時代の殺伐とした空気感を感じ取ることができた。
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ふたりの女 [シネマ&演劇]

「ふじのくにせかい演劇祭2019」を見に静岡市に行った。日本平の麓、舞台芸術公園野外劇場有度であったのは、唐十郎作、宮城聰演出「ふたりの女 平成版ふたりの面妖があなたに絡む」。演劇祭のオープニング作で、駅と会場を結ぶバスが出たり、地元のもてなしがあったり、お祭り気分の中で、思った以上の人が集まっていた。

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劇団第七病棟が初演した芝居。精神病院の患者と医師の愛憎劇に、患者の頭の中の妄想が絡み合う。奇妙な性癖や症状の登場人物。正常と異常の境目がぼやけ、夢と現実が混ざり合う。そもそも正常とは何か。異常な状態こそ正常ではないのか。そんな問いかけにも見える。

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午後6時開演。日中から薄暮、そして闇へ。震災の流木のような足場の悪い舞台装置と、自然の樹林が作り出す背景。叫びとともに闇に消える女は悲しく、砂の上を這いずる女からは執拗な愛情を感じた。

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米中覇権争いと日本について考えた [雑感]

六本木グランドタワーのベルサールであった東京財団政策研究所のフォーラム「米中覇権争いの政治経済学」を聞きに行った。元NHKの手嶋龍一、双日総研の吉崎達彦、東京財団上席研究員の柯 隆(か・りゅう) の各氏がスピーカー。

手嶋さんは、トランプという異形の大統領を生んだ米国の地殻変動にこそ注目すべきだ。米中関係は新冷戦ではなく、熱戦となる恐れもある。注目すべきは台湾海峡であり、万が一有事となれば、日本は大変困難な立場になる。現段階では民主党はトランプに勝てない。あと5年、トランプはあり得る。かつてキッシンジャーは、拠って立つ理念の大切さを訴えたが、今の米政権にはない、などと話した。

吉崎さんのトランプ評は、不動産屋ではなくテレビマンだ。いつも面白いことをやってやろうと考えている。プロレス興行のように。覇権国と新興勢力の衝突は歴史の必然であり、トゥキディデスの罠という言葉がある。AIとビッグデータと5G。この三つが焦点になっていて、こうした技術分野での覇権争いが熱戦につながるかもしれない。5Gは自動運転を実現するための技術の要。

柯 隆さんは、中国の強国夢について。中国はアヘン戦争いらい、外国との戦争に負け続けてきた。ゆえに大国になる夢があり、いま経済的には米国に次ぎ2番となった。米国の親中国派は経済が発展すれば民主化も進むと国内を説得してきた。しかし、習近平の下ではそうはならない。中国共産党政府の幹部は、元紅衛兵であり、毛沢東の信奉者。鄧小平の実利主義ではない。経済力と軍事力、文化力が強国になるための3条件。中国に足りないのは文化力であり、それを実現するには自由が必要なのだが。

今の調子ではトランプはあと5年、習近平も3期目を目指す。日本外交は従来通りのソフト路線でよいのか。主張すべきは主張するハード外交も時には必要なのではないかとの意見に考えさせられた。
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東京都庭園美術館へサイクル散歩 [アート]

白金台にある東京都庭園美術館まで自転車で散歩に行った。日曜日は都心もクルマが少なく気持ちいい。皇居そばの通りはサイクル専用道路になっていて、咲き始めたサクラを見ながらランラン気分のポタリングだ。

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スイスイと五反田方面まで行ってしまい、少し遠回りになったが、庭園美術館に到着。美術館は旧朝香宮邸でアール・デコ様式の建物自体が美術品のような優雅な佇まいだ。岡上淑子さんの「フォトコラージュ沈黙の奇跡」展があっていて、せっかくなので鑑賞した。戦後の昭和20年代、西洋の人物・風景を切り貼りして、シュールレアリズム的な世界観を表現している。技法は素朴なところもあるが、解放された女性の時代へ向けて、その心象風景を作品にしている。レトロな雰囲気のモノクロの絵葉書を1枚、記念に買った。

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庭は自然教育園に続く感じで広がっていて、日差しいっぱいの芝生と花をつけた樹木が気持ちよかった。

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三鷹天命反転住宅を見学した [アート]

東京都三鷹市にある「三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー」の見学会に行ってきた。芸術家の荒川修作と詩人マドリン・ギンズが作った未来住宅。カラフルで積み木を積み重ねたようなマンションで実際に住人がいる。3階の2部屋はショートステイ用で、宿泊客がおらず、スタッフの都合がつく時に見学できる。入場料2700円、この日は20人ほどの見学者が集まった。

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学芸員の指示で室内を裸足で歩いたり、天井の金具に荷物を収納?したり、見学者自らが身体を動かしながら住宅を体験する。凸凹の床、傾いた天井、色とりどりの壁、球体の部屋。普通ではない作りは、人間の神経を研ぎ澄まし、眠っている能力を覚醒させる。便利さや効率を追求する建築ではなく、まず人間が中心にいて、家を構成していく。そんなコンセプトで作られているという。

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実際住んでみたら、身体に変調をきたすか、それとも未知なる才能が発現するだろうか。興味津々。最後にスタッフが事務所として使っている1階の部屋を見学。ブランコがあったり、吊り輪があったり、クライミングがあったりして、エクササイズ好きにはいいかも。でもルンバが使いずらいので掃除は大変かな。これまで考えたことのない視点から住まいを考える、とてもよい機会になった。

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ヘレン・ケラーまたは荒川修作

ヘレン・ケラーまたは荒川修作

  • 作者: マドリン・ギンズ
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2010/04/02
  • メディア: 単行本



建築する身体―人間を超えていくために

建築する身体―人間を超えていくために

  • 作者: 荒川 修作
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本



養老天命反転地―荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験

養老天命反転地―荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験

  • 作者: 毎日新聞社
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 大型本



三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために―荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築

三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために―荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築

  • 作者: 荒川 修作
  • 出版社/メーカー: 水声社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 大型本



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B.B.BASEで南房総サイク [雑感]

JR東日本のB.B.BASEを使って千葉・南房総をサイクリングした。自転車を分解せずに列車にそのまま積んで目的地へ行き、いきなりサドルにまたがれる。サイクリストにとっては夢のような特別列車が昨年生まれたのを知り、ようやく乗車が実現した。

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出発は両国駅で東京江戸博物館側の特別改札口から乗車。ロードバイクを専用のラックに搭載し、傍のシートへ。自由席でゆっくりしたシートでくつろげる。7時39分に出発、東京湾沿いを館山駅まで2時間半。ガイドさんが同乗していてモニタールーム(4号車)でモデルコースの説明やクーポンが使える観光地の紹介をしてくれたり、お茶菓子のサービスもあった。木更津、君津など、地名は知っていても行ったことがない駅を通過し、「ああ、ここだったのか」と出会った風景に旅情を感じる列車旅。

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南房総の玄関口の館山駅は、ヤシの木に花壇と暖かい出迎えムード。千倉から海岸線に出る時計回りのミドルコースを完走目指してスタートした。ちょっと肌寒かったが、朝方の雨も上がり長袖のサイクルジャージにフード付のヤッケ、下は短パンにタイツがちょうどいい。

道の駅ちくら潮風王国で小休止。缶コーヒーで水分補給し、シーサイドルートをランランサイクで進む。岩場はウニやアワビの漁場らしく、密猟禁止の立て札や監視小屋まであり、観光ルートとしては少々興ざめする風景も。それでも一帯は温暖な気候を生かした花の栽培が盛んなようで、色とりどりの花畑がいたるところにあり、お花摘みができる観光花園が目についた。

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白浜、野島崎を過ぎて相浜漁港でランチタイム。鶴瓶の番組で紹介された巴寿司の暖簾をくぐる。昼時だったがカウンターは空いていて、さっそく地物の寿司を注文した。タイに赤魚、ブリなど5種類のネタ、味噌汁と箸休めの魚の煮付けもついてお腹いっぱい、これで1500円は安い。

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ラストは緩やかな峠を越えて、館山方面へ。早めに着いたので南総里見の湯でゆっくり汗を流す。南総とは、あの南総里見八犬伝の土地だったかと、今更ながら発見し、一人で勝手に感心する。温まりうつらとしてからゴールの館山駅へ。17時10分館山発。東京湾に沈む夕日を眺めながら、駅の売店に注文しておいたクジラ弁当を食す。房総沖は昔からクジラ漁が有名。久しぶりの大和煮とフレークがのった弁当が疲れた身体に優しかった。両国駅には19時38分着。輪行の煩わしさがないのは面倒くさがりの自分にとっては何ともありがたい。楽しいサイクリング旅でした。

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南房総―写真集/大地と海と陽光のドラマ

南房総―写真集/大地と海と陽光のドラマ

  • 作者: 緑川隆
  • 出版社/メーカー: 千葉日報社
  • 発売日: 2014/01/01
  • メディア: 単行本



浦島金太郎の南房総貧乏旅のススメ。観光マップには載らない楽しみ方。まさにサードプレイス! (10分で読めるシリーズ)

浦島金太郎の南房総貧乏旅のススメ。観光マップには載らない楽しみ方。まさにサードプレイス! (10分で読めるシリーズ)

  • 作者: 浦島金太郎
  • 出版社/メーカー: まんがびと
  • 発売日: 2018/08/30
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)



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「世界は一人」の岩井秀人さんのこと [シネマ&演劇]

岩井秀人さんは数年前、向田邦子賞、岸田戯曲賞を相次いでとった演出家。平田オリザさんの青年団の演出部に所属し、そこから頭角を現した。劇団ハイバイを主宰し、個性的な俳優としても活躍している。

雑誌「すばる」に沢美也子さんが劇評を書いていた。それによると、物語の舞台は北九州市。石炭と鉄で栄えて水質汚染がひどく、今は寂れた街という設定に、すぐ北九州市を思い浮かべたのだが、やはりそうだったか。もともと松尾スズキさんの作と勘違いして、松尾さんの出身地である北九州市が舞台なんだと思いこんでいたんだけど。岩井さんは北九州市まで取材に訪れ、公害克服の歴史に関心を抱いたという。

岩井さんによると、自身の作品と九州という土地柄は親和性が高い。父親の家庭内暴力を描くと、東京あたりの公演では引くのに、九州では結構笑って見てくれる。なぜ笑うのか聞くと、「だって、うちにもいるから」と答えが返ってきたりするという。そうかしらと、思わなくもないが、あらためて岩井作品を見てみようかと思った。
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赤坂有薫 [雑感]

赤坂見付の東急プラザにある赤坂有薫に行ってきました。大学のクラブの後輩が久々上京してきたので、臨時のOB会というわけです。

九州料理の店なのですが、何といっても刺身がうまかった。素材によって、生醤油、酢醤油、酢味噌、生姜醤油とつけ分ける。例えばキビナゴは酢味噌、貝類は生醤油にワサビ、などなど。焼酎飲んで途中で分からなくなったけどね。

焼酎は芋を中心に品ぞろえ豊富。本日は六代目百合を一升瓶で。あっという間に空いて、次は三岳(五合瓶)。寒の戻りで寒かったのでお湯わりがなかなかうまかったですね。


本格焼酎 三岳 25度 900ml

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  • 出版社/メーカー: 三岳酒造(焼)鹿児島
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六代目百合 芋 25度 1800ml

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  • 出版社/メーカー: 塩田酒造
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グリーンブック [シネマ&演劇]

アカデミー賞作品賞を取った「グリーンブック」を日比谷でみた。天才黒人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリーと、運転手に雇われた元クラブの用心棒トミー・バレロンガの実話。コメディタッチの友情ストーリーに最後は温かい気持ちになった。

トニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、いかにもイタリア系の感じで行儀が悪い。ドクター(マハーシャラ・アリ)は知的だけど、はぐれ黒人というコンプレックスを持つ。価値観の違う二人が演奏旅行でトラブルを乗り越えながら、お互いへの理解を深めていく。アメ車でハイウェイを飛ばし、米国南部を旅する。ディープサウスに行くほど、黒人差別も露骨になる。州を跨ぐと国が変わり、文化が違う合衆国の実態が面白かった。

NYのブロンコス、イタリア系のファミリーが集まり、食事を共にする場面が何度も出てくる。ゴッドファーザーを思い出した。トニーの奥さんドロレス役のリンダ・カーデリーニは、磯山さやかみたいな雰囲気でよかった。


ムーンライト スタンダード・エディション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
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ケンタッキー・フライド・ムービー[レンタル落ち][DVD]

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  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2002/11/22
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世界は一人 [シネマ&演劇]

岩井秀人作・演出の音楽劇「世界は一人」を池袋の東京芸術劇場プレイハウスでみた。前野健太とそのグループが演奏、力強いボーカルで歌うかと思えば、舞台のアクターたちが歌ったり。現実と回想が入り混じる展開の中、「世界は一人」というタイトルの意味を考えながら鑑賞した。

松尾スズキと松たか子が出演するなら、ということで見に行った。松尾の持つ独特の面白みと、松のストレートで明るい歌唱力。いずれも期待通りだった。瑛太の歌も初めて聞いたが、うまかった。

出会い直しと「毛」がキーワード。小学生時代から始まる回想は、それぞれの境遇や経験からできたトラウマ、心の傷を描く。それぞれの主観によって、過去の捉え方は異なる。それが歌とセリフで紡がれていく。過去を知らないフリをして、出会い直す。誰の人生にもそんな場面があるかもしれない。

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やっかいな男 (Bros.books)

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  • 作者: 岩井 秀人
  • 出版社/メーカー: 東京ニュース通信社
  • 発売日: 2018/09/11
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さよならお婆ちゃん (Bros.books)

さよならお婆ちゃん (Bros.books)

  • 作者: 松尾スズキ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: 単行本



もう「はい」としか言えない

もう「はい」としか言えない

  • 作者: 松尾 スズキ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: 単行本



「大人計画」ができるまで

「大人計画」ができるまで

  • 作者: 松尾 スズキ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/12/15
  • メディア: 単行本



明日はどこから

明日はどこから

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: アリオラジャパン
  • 発売日: 2017/12/06
  • メディア: CD



MATSU TAKAKO SINGLE COLLECTION 1999-2005

MATSU TAKAKO SINGLE COLLECTION 1999-2005

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • 発売日: 2006/06/28
  • メディア: CD



Cherish You(初回生産限定盤)(DVD付)

Cherish You(初回生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: CD



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ある男 [読書日記]

平野啓一郎さんの話題作「ある男」を読了した。結婚した相手がまったくの別人だったという奇妙な話から始まり、自分の辛い過去を消したい、人生をリセットしたいという、誰にでもありそうな願望が物語を展開させていく。

読み終えて思うのは、人の幸福というのは何だろうかということ。自らを振り返ってみると、家族がそろってワイワイと食卓を囲む、そんな平凡なひとときこそ、幸せを実感したりする。幼少期に親に虐待を受けたりした過去があれば、穏やかな毎日こそ、幸せと感じるだろう。

小説では、在日の登場人物がおり、ヘイトスピーチや関東大震災時の朝鮮人大虐殺のくだりも出てくる。殺すべき対象かどうか、「15円50銭と正しく発音してみろ」と屈辱的な命令を受けたという逸話もあり、ついこの前見た映画「金子文子と朴烈」でも出てきた、印象的なシーンを思い出した。偶然とはいえ、わずかな期間に見たり読んだりしたもので同じ話が出てくるのは不思議な気分だ。


ある男

ある男

  • 作者: 平野 啓一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 単行本












バラ型 フラワーソープ ハードフラワー形状 ギフトボックス入り 

バラ型 フラワーソープ ハードフラワー形状 ギフトボックス入り 

  • 出版社/メーカー: EVERJOYS
  • メディア: ホーム&キッチン



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ピルグリム2019 [シネマ&演劇]

鴻上尚史さん主宰の劇団「第三舞台」の傑作といわれる「ピルグリム」(巡礼者、放浪者の意)の2019年版を新宿御苑前のシアターサンモールでみた。若い人たちとともに時代を駆けながら芝居を作っていきたいと鴻上さんが旗揚げした「虚構の劇団」。21世紀のネット社会にアップデートした内容で、いつも繋がっている故の現代人の孤独や自我の分裂を描こうとしている。

ネット調べでは、初演時は伝言ダイヤルが流行っていた頃で、そのメッセージを聞きながら脚本を書いたという。2019年版は、パソコン、スマホ、メール、SNSが主役で、ピルグリムの冒険はRPGのノリだ。オリジナルからあるコミューンの話も何となくカルト宗教を想起してしまう。オリジナルを見ていたら、さらに面白かったかもしれない。

妙な言動の類型化された◯[×]?族が次々と出てきて物語は進むが、それぞれのセリフがなかなかいい。見える自分と見えない自分、昼間の家主と夜の家主、肯定ペンギン。見ていて様々な思考が巡った。歌とダンスもキレキレで、気持ちの良い舞台だった。

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ピルグリム クラシック版

ピルグリム クラシック版

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 単行本



リラックスのレッスン~緊張しない・あがらないために

リラックスのレッスン~緊張しない・あがらないために

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



幸福のヒント (だいわ文庫)

幸福のヒント (だいわ文庫)

  • 作者: 鴻上尚史
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/10/12
  • メディア: 文庫



不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/11/15
  • メディア: 新書



青空に飛ぶ

青空に飛ぶ

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



鴻上尚史の俳優入門 (講談社文庫)

鴻上尚史の俳優入門 (講談社文庫)

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/08/10
  • メディア: 文庫







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芥川賞、直木賞の授賞式 [読書日記]

芥川賞、直木賞の授賞式をのぞいた。賞ができて84年で第160回。戦後4年お休みした以外は年2回、両賞の選考を続けてきたという。年中行事、文学のお祭りのようなものだ。

芥川は吉田修一さん、直木は桐野夏生さんが祝辞を述べた。芥川の上田岳弘さん「ニムロッド」は実に完成された小説のようで、吉田さんも絶賛。先日読了した「宝島」の真藤順丈さんは、桐野さんに「今日はジャージではないんですね」(カッコいい帽子とスーツだった)と言われていたが、受賞が決まってジャージが4つも家に贈られてきて、「直木賞の威力はすごい」と思ったそうだ。挨拶は、この1ヶ月でエッセーやトークショーで話し尽くして、もう言うことがないとスピーチし、笑いを誘っていた。今度のオール讀物には、真藤さんの半生記が載るらしく、本人曰く「これまでの、うだつの上がらない日々」を読んでみようかと思った。


第160回芥川賞受賞 ニムロッド

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

  • 作者: 上田 岳弘
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/01/26
  • メディア: 単行本



ニムロッド

ニムロッド

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/01/26
  • メディア: Kindle版



第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

  • 作者: 町屋 良平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: 単行本



私の恋人 (新潮文庫)

私の恋人 (新潮文庫)

  • 作者: 上田 岳弘
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/01/27
  • メディア: 文庫



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宝島 [読書日記]

この度の直木賞をとった真藤順丈さんの「宝島」を読んだ。普天間基地移転のための辺野古埋め立て工事について沖縄県民投票が告示されたことが頭にあったのか。タイミンングよく手に取ることになった。

戦果アギヤー。米軍基地から資材や食糧を盗み出し、飢えた民衆に配る。伝説の島のヒーロー・オンちゃんと仲間たち(グスク、レイ、ヤマコ)の青春群像劇だ。コザを主舞台にウタキやノロといった土着の言い伝えが残る暮らしと、一方で米軍相手の歓楽街での生き様も活写する。学生時代から何度か訪れた沖縄の海、基地のある町を思い出しながら読み進めた。

米国の信託統治から日本本土への復帰。ドルから円に代わっても、基地は残った。街を分断する金網はそのままで、米兵が起こす事件・事故が減ることはなく、数え切れない人たちが犠牲になり続けている。沖縄ヤクザの抗争も盛り込まれていて、エンタメ小説として面白く読んだ。でも、何一つ変わらない沖縄の現実に痛切な思いもあらあめて募った。



第160回直木賞受賞 宝島

第160回直木賞受賞 宝島

  • 作者: 真藤 順丈
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 単行本



宝島

宝島

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: Kindle版



夜の淵をひと廻り (角川文庫)

夜の淵をひと廻り (角川文庫)

  • 作者: 真藤 順丈
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/22
  • メディア: 文庫



庵堂三兄弟の聖職 (角川ホラー文庫)

庵堂三兄弟の聖職 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 真藤 順丈
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2010/08/25
  • メディア: 文庫



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金子文子と朴烈 [シネマ&演劇]

渋谷のシアター・イメージフォーラムで封切り日に見た。映画館周辺には旭日旗を掲げる街宣右翼と警察警備課がいて、何事かという雰囲気。日韓関係が最悪と言われる中、反日的な映画の上映はけしからんということらしい。表現の自由という言葉を持ち出すまでもなく、上映を妨害しようとする動きは困ったものだ。

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関東大震災の時の朝鮮人虐殺を扱っていてテーマは重い。植民地支配に抗う、朝鮮人のテロリストと日本のアナキストというカップル。進んで囚われの身となり、大逆罪の法廷で自らの思いを訴える。朴烈はイ・ジェフン、文子はチェ・ヒソが演じるが、日本語とハングルを使い分けながら好演している。特に快活な文子を演じるチェ・ヒソは本当にチャーミングだった。韓国では235万人を動員するヒット作となったらしいが、イ・ジェフン人気と純愛映画として観る人が多かったようだ。

金子文子という人のことは今回、初めて知った。23歳で獄死したが、その短い人生を獄中手記「何が私をこうさせたか」に残している。文芸評論家の斎藤美奈子さんのコラムによると、文子は今でいう児童虐待の犠牲者で、出生届さえ出されず子供の頃は無戸籍だった。親戚に引き取られ朝鮮半島で悲惨な日々を送ったという。その後、文子は東京へ。朴の詩に惹かれて同棲し、不逞社という結社を立ち上げる。映画はこのあたりからのお話。
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映画には、金守珍さんはじめ新宿梁山泊の面々が出演していて、初日午前の上映後、舞台挨拶があった。日本での上映を実現した太秦の代表は、右翼の抗議行動に触れ、「映画は日本人にとって痛い内容も含んでいるが、こんな作品をしゃあしゃあと上映できるような時代にならないといけない」と話した。教科書では教えない事実を知り、かつて日韓の若い男女が命を燃やした物語として記憶することが、相互理解への一歩になると思う。


何が私をこうさせたか――獄中手記 (岩波文庫)

何が私をこうさせたか――獄中手記 (岩波文庫)

  • 作者: 金子 文子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/12/16
  • メディア: 文庫



常磐の木 金子文子と朴烈の愛

常磐の木 金子文子と朴烈の愛

  • 作者: キム ビョラ
  • 出版社/メーカー: 同時代社
  • 発売日: 2018/04/11
  • メディア: 単行本



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