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人形の家 PART2 [シネマ&演劇]

「人形の家 PART2」を新宿・紀伊國屋サザンシアターでみた。イプセンがデンマークで発表した社会劇で、19世紀ヨーロッパに衝撃を与えた問題作の続編として書かれた。フェミニズムの勃興とともに語られる主人公ノラの自立。15年ぶりに捨てた家族の元へ帰ってきたノラと家族らとの再会を、劇作家ルーカス・ナスが描く。

女流作家になったノラと銀行家の夫トルヴァル、女中で母親代わりのアンネ・マリー、娘のエミー。それぞれとの会話の中で、自分勝手さや憎しみ、世間体といった、自由な個人を縛るモノが浮き彫りになる。古典的作品を現代社会に翻訳しても、ちゃんと訴えるものが分かるのは、裏を返せば、女性が差別される男性優位社会が続いていることの証左でもある。

ノラ役の永作博美、矛盾を抱え葛藤する女性にはぴったりだったかも。夫役の山崎一の声がいい。栗山民也演出。

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自民党 価値とリスクのマトリクス [読書日記]

中島岳志さんがWEB連載したものをまとめた一冊。安倍首相はじめ石破、菅、小泉進次郎ら自民政治家9氏のことば、著作から、その政治家の実像を読み解いている。

縦軸にリスクの問題、横軸に価値の問題を置き、分析する手法。リスクは、大きな政府を指向する「リスクの社会化」か、自己責任型の社会を目指す「リスクの個人化」。価値は、個人の価値観の問題に介入・干渉を強める「パターナル」か、多様性に寛容で権力的介入を少なくする「リベラル」。従来の右、左というイデオロギーではなく、こうした座標軸を用いた4類型で、どういった政治家なのかを分析する。

安倍首相の項は秀逸。政治家としてのスタートから「価値」の問題に関心が集中していて、アンチ・リベラルで一貫して日米安保強化を進める。リスクの問題は、徹底した行革を掲げているものの、熱心ではない。政治家は、たとえ嘘をつくことになっても、心情倫理として問題があっても、責任倫理として結果責任をとれば免罪されるという、祖父岸信介ゆずりの思考を受け継いでいる。よく指摘される、その場しのぎのごまかし、不誠実さは、確信犯の言動である。なるほどと思った。


自民党 価値とリスクのマトリクス

自民党 価値とリスクのマトリクス

  • 作者: 中島 岳志
  • 出版社/メーカー: スタンド・ブックス
  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: 単行本



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よこがお [シネマ&演劇]

筒井真理子主演の「よこがお」を角川シネマ有楽町でみた。カンヌが愛した若き鬼才、深田晃司監督の新たな衝撃作という触れ込みだったが、そんなことはどうでもよくて、ただただ筒井真理子の愁いのある表情、美しい姿に見惚れた。

犯罪被害者ではなくて加害者側の親族・関係者をどう支援・救済するか、という社会的テーマを扱っている。被害者はかわいそうだが、加害者側だろう、ある程度の責めを負うのは当然だ。そんな感情が世間一般にはある。罪を憎んで人を憎まず。言葉で言うのは容易いが、そういった寛容の精神が忘れ去られている昨今、世の中の支配的な空気に逆らうのは簡単ではない。

もちろん報道する側、メディアの対応には大きな責任がある。でも作品の中でのメディアの描き方は、あまりにも陳腐。今どきあんなメディアスクラムはないでしょう。ヒロインの心の動きを丁寧に描くのと同じくらい、そこらへんの描き方にもこだわって欲しかった。

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朝のライラック [シネマ&演劇]

彩の国さいたま芸術劇場の世界最前線の演劇シリーズ、「朝のライラック」をみた。蜷川幸雄が舞台監督を務めた拠点、一度行ってみたかった劇場だったが、ここもできて25周年だという。与野本町駅から劇場までの通りにはシェークスピアシリーズに出た俳優の手形とサインが展示されていた。

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作品はイスラム国が暴虐の限りを尽くしたシリアの架空の街が舞台。芸術教師のカップルが監禁され、引き裂かれる危機に追い込まれる様を描く。今も続く中東での紛争はメディアで知ってはいるが、人々の日常生活が目に触れる機会は少ない。従わなければ銃殺され、残された妻は乱暴され、子どもたちは兵士として育てられ戦場へ駆り出される。現実に起きていることを絶望の淵に追い込まれた夫婦の緊迫の一夜に凝縮した。

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アラブ世界の歌姫、ファイルーズの哀愁を帯びた歌声が砂漠の乾いた空気を運んでくる。ハラーム、ハラール、結婚ジハードなど、用語解説付きで、世界情勢への関心を高める手助けもしている。上演後、プロデューサーの司会でパレスチナ出身の作者ガンナーム・ガンナームさん、劇を翻訳したNPOの渡辺真帆さんらのアフタートークもあった。日本人にとっては遠い中東の地だが、戦争の非道さ、平和の尊さを改めて噛みしめる舞台だった。


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キネマと恋人 [シネマ&演劇]

ケラリーノ・サンドロヴィッチ台本・演出の舞台「キネマと恋人」を兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールでみた。世田谷パブリックシアター公演を見逃したが、兵庫公演で評判の舞台を見ることができた。

ウディ・アレンの映画「カイロの紫のバラ」の設定を1930年代の日本の小さな島(梟島)に置き換えたストーリー。銀幕と現実を行き来する場面転換の流れるような動き。その演出テクニックに目を奪われる。

主演の妻夫木聡と緒川たまき。コミカルで哀切な感情表現が良かった。銀幕スターと映画ファンの恋は、おかしくて寂しくて、いとおしい。誰にでもある夢の世界への憧れ。夢は夢として、現実に向き合うしかないのだろう。

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ザ・ファブル [シネマ&演劇]

岡田准一主演のアクション・コメディー「ザ・ファブル」を丸の内ピカデリーで見た。人気連載マンガが原作。福岡の江口カン監督には以前から注目していたが、期待どおり痛快な娯楽作に仕上がっていた。

岡田は最近時代劇ばかりだった気がするが、今回は世間離れした殺し屋を体を張って演じた。「殺し屋」という設定自体、現実離れしているだけに、頭を空っぽにして楽しむにはもってこいの作品。相棒の木村文乃はヤンチャでセクシーな感じがハマっていたし、山本美月の可憐な役柄も良かった。

それにしても、この手のアクション映画はマンガ原作の多いこと。絵コンテにする手間が省けるのか、小説よりもぶっ飛んだ設定ができるからなのか。日テレの作品だから続編ができるかもね。
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ピロートーキングブルース [シネマ&演劇]

FUKAIPRODUCE羽衣の公演を下北沢の本多劇場でみた。深井順子プロデュース。糸井幸之助の作・演出・音楽で、オリジナルの歌と芝居の「妙ジカル」と銘打っている。

ベッドで男女が交わすピロートーク。夫婦や恋人、不倫、デリヘル。ありふれた会話を軸にストーリーが進み、舞台回しに歌とダンスが入る。

パワーのある歌声とダンス。だが、絶滅の淵にある世界にピロートーキングブルースと言われてもなあ、という感じ。ピロートークで始まったのなら、ピロートークで終われば良かったのでは。最後の歌唱は蛇足なような気がした。

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SEED〜命の糧 [シネマ&演劇]

環境問題を告発するドキュメンタリーを試写会で見た。野菜の種子が次々と消滅し、多様性が失われているという話。人々の生活に合わせて、病害虫に強いもの、収量が多くとれるものが作物として奨励され、それで淘汰されていると理解していた。だが、実際には違うということがこの映画をみて分かった。

小麦やトウモロコシなどは、いわゆる穀物メジャーによって種子が管理され、農家は種子を買わされて栽培をしているという。それぞれの土地に根付いた固有種は駆逐され、グローバル企業が生産を支配している。干ばつでも生き残るような固有種は、一握りの人たちのボアランティア的取り組みによって、細々と維持されているのみだ。

多様性が失われ、一つの種が独占的に栽培されてしまうと、感染症が大流行した場合など、世界的な食糧難を招く恐れがある。当然ながら生態系にも影響を及ぼし、人間を取り巻く環境にも多大な変化をもたらす。

映画では化学メーカーの実験場がハワイで住民被害をもたらしている話もあった。日本と違い広大な国土を持つ米国で、なぜハワイのような観光地で農薬の実験をする必要があるのか。農薬はなるべく使わず、有機栽培をとは思うが、米国企業の経営理念というものが分からない。

文化人類学者の辻信一さんは、日本でも規制緩和や民営化、自由貿易という名のもとに、グローバル企業によるタネの支配が進んでいると警鐘を鳴らしている。
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蛇姫様 わが心の奈蛇 [シネマ&演劇]

新宿梁山泊第65回公演「蛇姫様」を新宿・花園神社の特設紫テントでみた。1977年九州・筑豊田川のボタ山で、嵐の中1000人の観客を集めて行われたという伝説の演目。朝鮮半島から北九州・小倉への死体運搬船で生まれた姫の出生をめぐる物語が濃密に展開する。

唐十郎が「二都物語」ソウル公演の船旅で着想を得たという。国籍や戦時暴力、戦災孤児‥‥。日韓間で尾を引いてきた問題を想起させるエピソードが作品の中でストレートに出てくる。叙情よりも社会性が表に出てくるという点で、今までみてきた唐作品とは少し異なった印象を受けた。

水島カンナはてんかん持ちのヒロインあけび役をまさに迫真に迫る演技で魅せた。お色気場面も含め、コンプラのうるさい電波では流せない、舞台ならではの表現を堪能できた。小林少年の申大樹もキレのいい動きが気持ちよかった。ベテラン三浦伸子はさすがでしたね。産みと海。3幕3時間近い舞台は上と下の間を水路が仕切る仕掛けで、水しぶきが客席にかかる度に大歓声。大仕掛けのクライマックスも幽玄な境内の雰囲気が出ていて、なかなかの見ものだった。

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エリカ38 [シネマ&演劇]

昭和の時代のアイドル「美代ちゃん」、浅田美代子が初めての汚れ役に挑むというので、「エリカ38」を見に行った。タイの若い愛人との濡れ場はなかなか刺激的。女の性をある意味、あっけらかんと演じている。明るい南国の日差し、華やかな衣装を着ればまだまだ若い。しかし、収監された姿はメークのせいもあるだろうが、年相応だ。「赤い風船」を歌っていた、可憐なアイドル時代を思い浮かべて、時の流れを感じずにはいられなかった。

つなぎ融資の女王といわれ、最後は国際手配犯としてタイで捕まった女性の事件がモチーフ。男たちを手玉に取り、カネを巻き上げる悪女の側面よりも、幾つになっても「かわいい女」という側面にウエイトを置いた描き方だった。悪びれる風もない開き直り方は、浅田の天然な演技か。妙にリアルに感じた。

故樹木希林が友人である浅田にぜひ詐欺師をやらせたいと企画したという。確かに浅田のようなキャラの女優がやった方が意外性があって面白い気がする。それだけに被害者へのインタビューで女詐欺師の実像を浮き彫りにしていくという、ドキュメンタリータッチの構成というのは、作品として果たしてどうなのだろう。実際の事件をモチーフにしつつも、もう少し少女時代の出来事を絡ませながら、女の本性を掘り下げていくドラマにした方が良かったのではないか、と思ったりした。
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海辺のカフカ [シネマ&演劇]

村上春樹のベストセラーを蜷川幸雄が演出した舞台をTBS赤坂ACTシアターで見た。水槽のようなセットがステージ上を移動し場面転換する。基本黒子が押す人力で、図書館の一室から神社、雑木林、中型トラックまでが台車にのって前面に出てくる。入り組んだ村上作品の世界をどうしたら舞台でスムーズに見せることができるか。全て人の手、アナログでやることが蜷川の答えだった。

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「海辺のカフカ」は随分前に読んで詳しい内容は忘れてしまっていたが、村上の最新長編「騎士団長殺し」を遅ればせながら文庫で読んだばかりだったので、夢と現実を行き来するような作品世界には比較的すんなりと入ることができた。小さな水槽に入った寺島しのぶ扮する佐伯さん。寺島は「蜷川さんが残した装置と対決している感じ」と語っていたが、狭い水槽でうごめく姿が印象に残る。木場勝己演じるナカタさん、世界の真実を知る男を実直に表現していた。

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2012年の初演では、田中裕子が主役だった。今回フランス公演のため、木場や古畑新之、柿澤勇人といったオリジナルメンバーに加え、寺島、岡本健一、木南晴夏らが参加したという。

公演中に千葉震源の地震があり、客席も結構揺れた。一瞬小さくどよめいたが、舞台上の役者(確か寺島と木場)は驚くこともなく演じ続けた。さすがプロだね、と称賛の声あり。

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ジャガーの眼 [シネマ&演劇]

唐組の第63回公演「ジャガーの眼」を雑司が谷の鬼子母神・紅テントで見た。1983年(昭和58)に亡くなったアングラ演劇の旗手・寺山修司へのオマージュとして、唐十郎が創作した。寺山が愛用したジーンズサンダルが巨大化して冒頭から出てきたり、劇中でも詩人・寺山の名が何度か出てくる。寺山の最後の演劇論集「臓器交換序説」にもヒントを得たといわれる。 IMG_2510.jpg 今回の公演は、内野智、月船さらら、大鶴美仁音が客演していて、いつもよりパワーアップした感じ。移植された眼球の角膜に残るかつての恋人の残像。謎の探偵社や、怪しい医者らが絡まって、大活劇を繰り広げる。 IMG_2512.jpg 雑司が谷の初日ということで、なかなかの入り。5月のこの時期の公演は暑くも寒くもなく、つくづく観劇日和で幸せな気分になる。2時間余りの公演はカタルシスを感じさせる大団円で幕。出演陣の紹介と挨拶の後、舞台の向こう、境内の暗闇に役者たちがそれぞれはけていく。やり切った感のある、この感じがたまらなくいいなあ、と思う。
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クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代 [シネマ&演劇]

「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を試写会で見た。上野であっているクリムト展の前にお勉強と思って見たのだが、クリムトの生涯をたどる訳ではなく、むしろ19世紀末ウィーンの爛熟した空気、ハプスブルク伝統の文化を打ち破った革新的な動きを、美術だけでなく音楽や学術方面にまで視野を広げて紹介している。

性的表現については、まだ厳しかった時代に、クリムトは官能的な表情の女性を描いた。クリムトに学んだシーレは、男女の性器をそのまま描き、その作品は長い間、ポルノの範疇に括られていたという。映画で見た作品からは、人間の不安や恐れ、孤独が感じられる。少なくともワイセツな感じは受けなかった。

クリムトやシーレと同時代を生きた、フロイト、マーラー。精神分析の権威や、クラシック音楽の巨匠として、彼らの作品や業績は20世紀を超えて、現代まで生き続けている。そんなことを考えながら、次はクリムト展に行ってみようと思う。

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いつかギラギラする日 [シネマ&演劇]

深作欣二監督の特集を京橋の国立映画アーカイブでやっていたので見に行った。作品は、1992年、深作監督がプロヂューサー奥山和由と唯一組んだもので「いつかギラギラする日」。萩原健一、ショーケンが主役で、千葉真一、原田芳雄、八名信夫、木村一八といった懐かしい面々が出ている。

北海道の函館あたりのロケで、カーチェイスと撃ち合いがなかなかハンパない。ひたすらカネの争奪戦で、とにかくイケイケで製作した様子が浮かぶ。紅二点の多岐川裕美、荻野目慶子。ショーケンの彼女役の多岐川も色気があってよかったが、やはり荻野目の、はっちゃけたギャル姿でマシンガンを撃ちまくる姿が素晴らしく弾けていた。木村とのラブシーンでは、バストを披露する身体を張った演技も。

激しいアクションシーンが続く中で、だれか自分を見てほしい、本気で向き合ってほしいという、荻野目の孤独な心象風景が挿入される。銀座の雑踏で風船を持って佇む映像。娯楽アクション映画ではあるけれど、その時代の殺伐とした空気感を感じ取ることができた。
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ふたりの女 [シネマ&演劇]

「ふじのくにせかい演劇祭2019」を見に静岡市に行った。日本平の麓、舞台芸術公園野外劇場有度であったのは、唐十郎作、宮城聰演出「ふたりの女 平成版ふたりの面妖があなたに絡む」。演劇祭のオープニング作で、駅と会場を結ぶバスが出たり、地元のもてなしがあったり、お祭り気分の中で、思った以上の人が集まっていた。

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劇団第七病棟が初演した芝居。精神病院の患者と医師の愛憎劇に、患者の頭の中の妄想が絡み合う。奇妙な性癖や症状の登場人物。正常と異常の境目がぼやけ、夢と現実が混ざり合う。そもそも正常とは何か。異常な状態こそ正常ではないのか。そんな問いかけにも見える。

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午後6時開演。日中から薄暮、そして闇へ。震災の流木のような足場の悪い舞台装置と、自然の樹林が作り出す背景。叫びとともに闇に消える女は悲しく、砂の上を這いずる女からは執拗な愛情を感じた。

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米中覇権争いと日本について考えた [雑感]

六本木グランドタワーのベルサールであった東京財団政策研究所のフォーラム「米中覇権争いの政治経済学」を聞きに行った。元NHKの手嶋龍一、双日総研の吉崎達彦、東京財団上席研究員の柯 隆(か・りゅう) の各氏がスピーカー。

手嶋さんは、トランプという異形の大統領を生んだ米国の地殻変動にこそ注目すべきだ。米中関係は新冷戦ではなく、熱戦となる恐れもある。注目すべきは台湾海峡であり、万が一有事となれば、日本は大変困難な立場になる。現段階では民主党はトランプに勝てない。あと5年、トランプはあり得る。かつてキッシンジャーは、拠って立つ理念の大切さを訴えたが、今の米政権にはない、などと話した。

吉崎さんのトランプ評は、不動産屋ではなくテレビマンだ。いつも面白いことをやってやろうと考えている。プロレス興行のように。覇権国と新興勢力の衝突は歴史の必然であり、トゥキディデスの罠という言葉がある。AIとビッグデータと5G。この三つが焦点になっていて、こうした技術分野での覇権争いが熱戦につながるかもしれない。5Gは自動運転を実現するための技術の要。

柯 隆さんは、中国の強国夢について。中国はアヘン戦争いらい、外国との戦争に負け続けてきた。ゆえに大国になる夢があり、いま経済的には米国に次ぎ2番となった。米国の親中国派は経済が発展すれば民主化も進むと国内を説得してきた。しかし、習近平の下ではそうはならない。中国共産党政府の幹部は、元紅衛兵であり、毛沢東の信奉者。鄧小平の実利主義ではない。経済力と軍事力、文化力が強国になるための3条件。中国に足りないのは文化力であり、それを実現するには自由が必要なのだが。

今の調子ではトランプはあと5年、習近平も3期目を目指す。日本外交は従来通りのソフト路線でよいのか。主張すべきは主張するハード外交も時には必要なのではないかとの意見に考えさせられた。
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東京都庭園美術館へサイクル散歩 [アート]

白金台にある東京都庭園美術館まで自転車で散歩に行った。日曜日は都心もクルマが少なく気持ちいい。皇居そばの通りはサイクル専用道路になっていて、咲き始めたサクラを見ながらランラン気分のポタリングだ。

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スイスイと五反田方面まで行ってしまい、少し遠回りになったが、庭園美術館に到着。美術館は旧朝香宮邸でアール・デコ様式の建物自体が美術品のような優雅な佇まいだ。岡上淑子さんの「フォトコラージュ沈黙の奇跡」展があっていて、せっかくなので鑑賞した。戦後の昭和20年代、西洋の人物・風景を切り貼りして、シュールレアリズム的な世界観を表現している。技法は素朴なところもあるが、解放された女性の時代へ向けて、その心象風景を作品にしている。レトロな雰囲気のモノクロの絵葉書を1枚、記念に買った。

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庭は自然教育園に続く感じで広がっていて、日差しいっぱいの芝生と花をつけた樹木が気持ちよかった。

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三鷹天命反転住宅を見学した [アート]

東京都三鷹市にある「三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー」の見学会に行ってきた。芸術家の荒川修作と詩人マドリン・ギンズが作った未来住宅。カラフルで積み木を積み重ねたようなマンションで実際に住人がいる。3階の2部屋はショートステイ用で、宿泊客がおらず、スタッフの都合がつく時に見学できる。入場料2700円、この日は20人ほどの見学者が集まった。

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学芸員の指示で室内を裸足で歩いたり、天井の金具に荷物を収納?したり、見学者自らが身体を動かしながら住宅を体験する。凸凹の床、傾いた天井、色とりどりの壁、球体の部屋。普通ではない作りは、人間の神経を研ぎ澄まし、眠っている能力を覚醒させる。便利さや効率を追求する建築ではなく、まず人間が中心にいて、家を構成していく。そんなコンセプトで作られているという。

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実際住んでみたら、身体に変調をきたすか、それとも未知なる才能が発現するだろうか。興味津々。最後にスタッフが事務所として使っている1階の部屋を見学。ブランコがあったり、吊り輪があったり、クライミングがあったりして、エクササイズ好きにはいいかも。でもルンバが使いずらいので掃除は大変かな。これまで考えたことのない視点から住まいを考える、とてもよい機会になった。

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ヘレン・ケラーまたは荒川修作

ヘレン・ケラーまたは荒川修作

  • 作者: マドリン・ギンズ
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2010/04/02
  • メディア: 単行本



建築する身体―人間を超えていくために

建築する身体―人間を超えていくために

  • 作者: 荒川 修作
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本



養老天命反転地―荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験

養老天命反転地―荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験

  • 作者: 毎日新聞社
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 大型本



三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために―荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築

三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために―荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築

  • 作者: 荒川 修作
  • 出版社/メーカー: 水声社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 大型本



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B.B.BASEで南房総サイク [雑感]

JR東日本のB.B.BASEを使って千葉・南房総をサイクリングした。自転車を分解せずに列車にそのまま積んで目的地へ行き、いきなりサドルにまたがれる。サイクリストにとっては夢のような特別列車が昨年生まれたのを知り、ようやく乗車が実現した。

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出発は両国駅で東京江戸博物館側の特別改札口から乗車。ロードバイクを専用のラックに搭載し、傍のシートへ。自由席でゆっくりしたシートでくつろげる。7時39分に出発、東京湾沿いを館山駅まで2時間半。ガイドさんが同乗していてモニタールーム(4号車)でモデルコースの説明やクーポンが使える観光地の紹介をしてくれたり、お茶菓子のサービスもあった。木更津、君津など、地名は知っていても行ったことがない駅を通過し、「ああ、ここだったのか」と出会った風景に旅情を感じる列車旅。

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南房総の玄関口の館山駅は、ヤシの木に花壇と暖かい出迎えムード。千倉から海岸線に出る時計回りのミドルコースを完走目指してスタートした。ちょっと肌寒かったが、朝方の雨も上がり長袖のサイクルジャージにフード付のヤッケ、下は短パンにタイツがちょうどいい。

道の駅ちくら潮風王国で小休止。缶コーヒーで水分補給し、シーサイドルートをランランサイクで進む。岩場はウニやアワビの漁場らしく、密猟禁止の立て札や監視小屋まであり、観光ルートとしては少々興ざめする風景も。それでも一帯は温暖な気候を生かした花の栽培が盛んなようで、色とりどりの花畑がいたるところにあり、お花摘みができる観光花園が目についた。

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白浜、野島崎を過ぎて相浜漁港でランチタイム。鶴瓶の番組で紹介された巴寿司の暖簾をくぐる。昼時だったがカウンターは空いていて、さっそく地物の寿司を注文した。タイに赤魚、ブリなど5種類のネタ、味噌汁と箸休めの魚の煮付けもついてお腹いっぱい、これで1500円は安い。

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ラストは緩やかな峠を越えて、館山方面へ。早めに着いたので南総里見の湯でゆっくり汗を流す。南総とは、あの南総里見八犬伝の土地だったかと、今更ながら発見し、一人で勝手に感心する。温まりうつらとしてからゴールの館山駅へ。17時10分館山発。東京湾に沈む夕日を眺めながら、駅の売店に注文しておいたクジラ弁当を食す。房総沖は昔からクジラ漁が有名。久しぶりの大和煮とフレークがのった弁当が疲れた身体に優しかった。両国駅には19時38分着。輪行の煩わしさがないのは面倒くさがりの自分にとっては何ともありがたい。楽しいサイクリング旅でした。

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南房総―写真集/大地と海と陽光のドラマ

南房総―写真集/大地と海と陽光のドラマ

  • 作者: 緑川隆
  • 出版社/メーカー: 千葉日報社
  • 発売日: 2014/01/01
  • メディア: 単行本



浦島金太郎の南房総貧乏旅のススメ。観光マップには載らない楽しみ方。まさにサードプレイス! (10分で読めるシリーズ)

浦島金太郎の南房総貧乏旅のススメ。観光マップには載らない楽しみ方。まさにサードプレイス! (10分で読めるシリーズ)

  • 作者: 浦島金太郎
  • 出版社/メーカー: まんがびと
  • 発売日: 2018/08/30
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)



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「世界は一人」の岩井秀人さんのこと [シネマ&演劇]

岩井秀人さんは数年前、向田邦子賞、岸田戯曲賞を相次いでとった演出家。平田オリザさんの青年団の演出部に所属し、そこから頭角を現した。劇団ハイバイを主宰し、個性的な俳優としても活躍している。

雑誌「すばる」に沢美也子さんが劇評を書いていた。それによると、物語の舞台は北九州市。石炭と鉄で栄えて水質汚染がひどく、今は寂れた街という設定に、すぐ北九州市を思い浮かべたのだが、やはりそうだったか。もともと松尾スズキさんの作と勘違いして、松尾さんの出身地である北九州市が舞台なんだと思いこんでいたんだけど。岩井さんは北九州市まで取材に訪れ、公害克服の歴史に関心を抱いたという。

岩井さんによると、自身の作品と九州という土地柄は親和性が高い。父親の家庭内暴力を描くと、東京あたりの公演では引くのに、九州では結構笑って見てくれる。なぜ笑うのか聞くと、「だって、うちにもいるから」と答えが返ってきたりするという。そうかしらと、思わなくもないが、あらためて岩井作品を見てみようかと思った。
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